CGアニメーションにおける"クリック"について

CGWORLDのCGクリエイターのためのパントマイムワークショップに参加しました。
自分の体を動かして体感するってとっても大事という話。

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セミナー概要

パントマイム・アーティストの荒木シゲル氏(@shigusaPro)によるパントマイムセミナー。
もちろんクリエイター向けと謳っているだけあって、実際に体を動かしながら動きの本質を学ぶことを目的としたセミナーでした。

 

よく言う「アニメーション制作の際には自分で体を動かす」これはとても大事だし、よくやることなのです。

 

では実際体を動かした際にどこに注目すべきか・何を思って動いているかというところがもっと大事で、

自分の動きに対して意識を向けること、その動きに対しての理解を深めることがこのセミナーを通して学べました。

 

■今回の講師:荒木さんの書籍


セミナーはじっくりじっくり自分にの動きに意識を向けての動作を行うため、終了後には全身筋肉痛になるほど。

時折あちらこちらで開催されているようなので機会があれば積極的に参加するのをおすすめします!

セミナーの流れ

常に意識して行動することの大事さを認識

セミナー開始は緊張をほぐす意味もあって、グループワークでした。

 

「部屋中をゆっくり歩き回り、STOPがかかった時点で近くに居た人と自己紹介・テーマに沿って生き物を決める」

それを4回ほど。最終的には、再びスタート位置に戻り同じルート、グループ、決めた生き物をおさらいするのですがコレが難しい。

 

常に意識して行動することの大事さを認識する。

体のパーツの意味を知る

頭、胸、腹、腰。そのパーツの機能と役割を理解する。

各パーツの意味

  • 頭:頭脳。-意図しない限り基本的に視線と頭は同じ方向を向く。
  • 胸:意識。-意識を向ける(向けたい)方に自然と動くもの。
  • 腹:欲望。-お腹の前で手を組んでいるのは欲望を「隠す」「抑えている」ことの象徴し、個性を抑えてる印象
  • 腰:本能。-ヒップファーストという言葉があるようにまずは腰から動く

パントマイムを通して体を動かす仕組みを理解する

普段何気なく動かしている体を意図的に動かすことで仕組みを理解する。

動きの性質の理解

自発的に動く:勝つ動き(腰から末端に動く)
外部の力によって動かされる:負ける動き(末端から腰へと動く)

 モーションキャプチャの修正時にも役に立つ!
アクターが何かに引っ張られるような演技を自らの動きでやる場合(誰かに引っ張られるわけでなく、役者さんが演技で表現する場合)、どうしても勝つ動きになってしまうので、修正する際には上記、動きの性質に注意して修正してあげると良い

ニュートラルな動き(個性のない動き)を実践

キャラクターを作成する際に一番初めに考えるのは歩き。

 

歩きによってその個性が表現される。 そのため個性のない動きとは何かを全員で実践、各個人の動きに対して荒木さんからの解説がありました。

動作の流れとクリック

そんなセミナーの中でレクチャーされた動きの流れとクリックと言うのポイントのご紹介。

動きの流れとは

目標を視認する→動くための準備→対象物に触れる(コンタクト)→クリック→動く(動かす)

一連ですね。

クリックとは

動きの切り替えポイントに起こる瞬間的な動き。
例えば物を持ち上げるその瞬間に力む。その力みの動きを指します。

クリックについて非常に分かりやすい作例が笹原和也氏(@sasaharakazuya)より投稿されてます

こういう分かりやすい作例を公開してくださるのは本当に素晴らく、またありがたいです

まとめ

恥ずかしながらこのセミナーを受けるまでクリックという動作を全く知りませんでした。ただ作成していなかったというわけではなく、「予備動作」というおおまかな括りの中で作成していました。

 

この動きのポイント自体に名称があり、その理屈まで認識してわけではなかったと言うところですね。

 

アニメーション12の原則もしかり、このクリック一つ意識してモーションをつけるだけで一段と動きに説得力が出てきます。

 

感覚だけでなくしっかりと理屈を知ることもアニメーション制作には大事なことですね。

関連記事セミナーは良い勉強の場です

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