未来への課題について考える!アニメーターシニア4 座談会に行ってきました 後編

2018年4月21日(土)にボーンデジタル主催で行われたAnimator Senior 4 -アニメーターシニア4 座談会に行ってきました後編。

 

ハッシュタグは

 

後半では

モーションキャプチャVS手付けアニメーション!?モキャプと手付けの住み分けとは。

シニアが思う日本のCG会社の未来への課題。

アニメーターの今後の課題。

 

についてまとめたいと思います。

 

前半同様、メモを基に個人的にかみ砕いた内容をまとめているのでニュアンスが違ってたらごめんなさい。

 

関連記事前半はこちら

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モーションキャプチャと手付けモーションの住み分け

最近Vtuberの出現により、より身近になっているモーションキャプチャー(以下モキャプ)と手付けの住み分けについて。

 

今回のセミナーの登壇者のカラー上、映像やゲームに特化した所での話ということを念頭において頂ければと思います。

 

基本的にはモキャプと手付けの垣根はどんどん薄くなってきています。

 

例えばメインキャラは手付け、遠方のモブはモキャプなど、作品のテイスト予算とスケジュール確保できる人材(そのスキル)など複合的な要素によって決めています。

 

モキャプ自体は否定しないですが、アニメーターとしては手付けのアニメーションが楽しいですけどね。

人としてのリアルな動きを求めるならモキャプは早い

モキャプの最大のメリットとしてはリテイクによるアクターさんの対応の速さにある。

 

アクターさんの力量により左右される部分は大きいですが、パターン作成・リファレンスデータ作成はその場で再度キャプチャを取れるので圧倒的に早いです。

モキャプと手付けのコストは?

モキャプは低予算でデータが揃えられると思われがちですが、スタジオやアクターさんの手配、その後、キャラクターに合わせての修正作業が必須となるため予算やスケジュール的なコストはあまり変わりません。

 

モノによってキャプチャのキーとなるポイントだけは残しつつ、思い切り削ってモーションを付け直すケースもあったり、2D用にコマを落としたりと、モーションキャプチャの用途は様々です。

 

moco
PERCEPTION NEURONOptiTrackなど手軽かつ安価なモキャプシステムが出現し、モキャプが簡単に取れる時代になってきました。使いどころを押さえて、コスト削減に繋げていく方法を模索していくのもありかと

 

他のセミナーでもモキャプ修正について触れてました

以前参加したCGクリエイターのためのパントマイムワークショップでも荒木さん(@actvirt)がキャプチャ修正に役立つ動きの性質について触れてました。

モキャプのデータがそのまま使われることはまずありません。

 アニメーターが生き残るには?

と仰々しいことを言ってはおりますが、先述どおりモキャプが進化しても手付けアニメーターは必ず必要です。

  • アクターさんに負けない動きのアイディアをつめる
  • 自らリファレンスを取り、動きについて学ぶ

 

そもそもモキャプの編集が出来ない人はリファレンス自体もうまく撮れない(動けない)ことが多いです。いい演技ができずとも、下手なりにダメなことに気づけることが大事

※もちろん動けずとも上手いアニメーターはいます

シニアが思う日本のCG会社の未来への課題

未来といいつつ、危機は目の前なんですけどね。

シニアたちの将来やりたいこと

  • 自分の世界観・キャラを生かした作品を作りたい
  • アニメーターのレベルを上げて行きたい
  • 若手を育てたい
  • 将来、国内外問わず日本で働きたいと思える環境を作りたい

理想と現実

理想

時間もお金もそこそこかけてクオリティUP→評価UP→収益UP。

 

現実

当然ながらパプリッシャー(クライアント)側からしたら、安く出来るなら越したことはありません。

残念ながらクオリティはそこそこでいいから安く作ってというクライアントも居ます。

 

 

そのような状況下で単価を上げるというのは非常に難しく予算やスケジュールなどのコストの配分を考える必要があります。

課題1:コストの配分を考える

予算、時間が限られた中でどのようにクオリティを捻出するかを考え・提案することが大事です。

 

予算・時間がないからとチェックのレベルを下げるのは人を魅せる作品を作ろうというアーティスト陣には酷く難しいことです。

予算がない→

fa-removeクオリティを下げる
fa-circle-oやる内容を制限する

時間がない→

チェック工程省略など手数を減らせる箇所の模索・提案

 

moco
時間の話だけであれば、マシンを増強する・適したツールを導入、人・協力会社さんをあてるなども検討できるやも

 

相手の求めるクオリティを理解し、現状で何が出来て、何が出来ないか、改善点を模索・提案、理解してもらうことも必要なことです。

課題2:海外から日本に発注したくなるには?

セミナー内で解決することではないという前提ですが、シニアたちが思い思いに意見を出し合っていました。

スピード&クオリティが日本の課題。

海外からしたら日本のスピード感は古いと感じられているそう。
スピード感を抜いてでも価値を見出す何かがないと難しい。

日本の会社の持ち味とは何かを考える必要がある

アニメテイストだけではもう海外でも既に色々作品が出ていて、持ち味とはなりにくいのが現状です。

 

■アニメ的要素のある海外作品

検索で引っかかったものなので他にもあったら教えてください

Overwatch Cinematic Trailer

ニンジャバットマン

■RWBY


自分たちのスタイルを追求し、価値をあげていく必要がある

具体的に何というのはなかったのですが、これは会社ごとで考えるべき課題なんでしょうね

 

 

■他のセミナーでも会社の強みについて触れてました

昔参加した、アニメーションスタイルセミナーで森江さん(@kohta0130)が自分たち名義の作品を世の中に発信していくことが重要という話をされていました。

 

moco
そういう意味ではウサビッチやイナズマデリバリーなどオリジナルコンテンツを商業化しているカナバングラフィックスさんは強みがあるということですよね(※親子ともども作品のファン)

 

ここにこれから先の未来を生き残るヒントがあるのかもしれません。

アニメーターの今後の課題

リグを理解し、リガーに適切なオーダー・対等に話せるように勉強すること

アニメーションをよくするためにも、アニメーターもリグの知識を持つことが大切です。

  • リグの工程を理解し、変更・修正にかかるコストを理解する
  • 階層構造を理解し知識を持つことで、具体的かつ適切なオーダーをしリガーと対等に話せるように

 

これがアニメータには重要な要素です。

 

他、どうしても映像作品が世の中に評価された際に、アニメーションには注目されますが、リグに注目されることはほとんどありません。

 

アニメーターは密接に関わる縁の下の力持ちたるリガーさん方に感謝と敬意を持ちましょう。

リグ専門家のツイートにも注目!

セミナーに参加されたリグの専門会社の株式会社BACKBONEの代表、リグコンサルタントの福本さん(@kentaLOW12345 )もこのようなツイートをされてました。

 

 

この福本さん、CGWORLDのクリエイティブカンファレンス2017でリギング ヘルプ ミー 「リガー集まれ~!」で登壇されるほど業界のリグ事情に精通された方です。

ということでいずれの職種に関しても、前後工程を理解する必要があるということですね。

 

 

CGの一通りの工程をやった上で好きなものを見つけ、特化させていく。

一通りやることの大切さはセミナー内でも語られていました。

もう一人のシニアの見解にも注目!

CG業界のyoutuberたる白石さん(@WataxxxVlog)も座談会についての動画をなんと当日にUPされています!

 

特に後半のセミナーを受けての白石さんの見解や解説は必見です!

(ちなみにほんのりですが私も映ってますw)

とても充実した内容でした

技術的な話とはまた一線を画すとても面白いセミナーでした。

4人の止まらないトークに何度とボンデジのスタッフさんが、ストップをかけ、次のテーマへと促すほど。

 

特にリグに関しては非常に耳の痛い話で、アニメーションをやるためにmayaに移行した私は頂いたリグをカスタマイズする力は到底ありません。

 

また、目の前の案件をどのように円滑にこなすかで手一杯になっている状況下で、将来を見越した動きをするにはどうしたらよいのかと色々考えさせられました。

 

もちろん一人の力ではなんともならないので、今回のセミナーを社内共有等を行い意識改革の一手になればよいなと思います。

セミナーの公式Facebookもページも開設されました

公式でFacebookにアニメーター座談会のページが作成されました。

興味ある方はフォローするのがおススメです!

立場の違う4人のシニアアニメーターが様々な切り口からアニメーションを語るイベントで、大変多くの方に興味を持ってもらい、またこの場だけではカバーしきれない多くの質問も寄せられたので、このページを開く事にしました。 これを機会にアニメーターのネットワークを広げていけたらと思っています。

 

 

この様なセミナーを開催していただいたボーンデジタルさん・登壇者の皆様には感謝・感謝です。

ありがとうございました。

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