
ZBrush上で直接テクスチャを表示し、3DモデルにペイントできるSpotlightについて調べてみました。
ダイヤルの操作方法、各機能についてのメモです。
調べた時点でのバージョンはZBrush4R8。
参考
関連記事ZBrush2019からのSpotLightの各機能はこちら
関連記事リファレンス画像表示として利用するなら他にも色々あります
コンテンツ
- 1 概要
- 2 SpotLightの起動方法
- 3 SpotLightの2つのモード
- 4 ダイヤルの基本操作
- 5 SpotLightのON/OFF
- 6 SpotLightのダイヤルモード/ペイントモードの切り替え
- 7 テクスチャを複数配置したい場合
- 8 Spot Lightの保存と読み込み
- 9 機能
- 9.1 1:Rotate
- 9.2 2:Scale
- 9.3 3:Pin Spotlight
- 9.4 4:Spotlight Radius
- 9.5 5:Opacity
- 9.6 6:Fade
- 9.7 7:Tile Proportional
- 9.8 8:Tile Selected
- 9.9 9:Tile Unified
- 9.10 10:Front
- 9.11 11:Back
- 9.12 12:Delete
- 9.13 13:Flip H
- 9.14 14:Flip V
- 9.15 15:Tile H
- 9.16 16:Tile V
- 9.17 17:Grid
- 9.18 18:Restore
- 9.19 19:Nudge
- 9.20 20:Clone
- 9.21 21:Smudge
- 9.22 22:Contrast
- 9.23 23:Saturation
- 9.24 24. Hue
- 9.25 25:Intensity
- 9.26 26. Paint
- 10 まとめ
概要
SpotLightはプロジェクションテクスチャリング機能でZBrush上にテクスチャを読み込んでペイントすることが出来、ZBrush上で使用するテクスチャの色相、サイズ等々編集することが出来る機能を持ち合わせています。
SpotLightを使うにあたりUV、テクスチャマップは必要ありません
SpotLightの起動方法
- Textureパレットにテクスチャを読み込む
- モデルにペイントしたいテクスチャを読み込みTexture>Add to SpotLightボタンを押す
- ドキュメント上にダイヤルと読み込んだテクスチャが表示されます。
先述どおりPolyPaintとして描くため、モデルにテクスチャが表示された状態だとポリペイントがテクスチャに隠れることになってしまいます。
すでにZBrush2019にバージョンを上げてしまったため昔のバージョンにこの項目があったか確認できませんが、アルファを読み込みたい場合はこちらをご利用ください
すでにZBrush2019にバージョンを上げてしまったため昔のバージョンにこの項目があったか確認できませんが、SnapShot3DのためにLightBoxからアルファを読み込み、編集したい場合はこちらをご利用ください
SpotLightの2つのモード
基本的にSpotLightには2つのモードがあります。
- ダイヤルモード(SpotLightのダイヤルが出ている間):テクスチャ画像の編集可能 ※SpotLightEditモードと言うそうです
- ペイントモード(SpotLightのダイヤル非表示の間):ポリペイントとしてテクスチャを描く、スカルプトする
構造になっています。
ダイヤルの基本操作
ダイヤルの内側をドラッグで画像とダイヤルを移動。
ダイヤルの中心にあるオレンジ色のサークル内をドラッグでダイヤルのみ移動します。
あとは基本的に各機能のアイコン上でクリック又はクリック&ドラッグするとその機能が反映されます。
SpotLightのON/OFF
Add To SpotLightの隣にあるTurn On Spotlight (Shift+Z)
ちなみに一度OFFにしてまたONにした際はダイヤルが消え、3Dペイントモードになっています。
SpotLightのダイヤルモード/ペイントモードの切り替え
Zキーを押します。
Turn On Spotlight (Shift+Z)から戻った際には3Dペイントモード(ダイヤル非表示)になっているため、Zを押して再びダイヤルを表示し、テクスチャを編集することが出来ます。
3Dペイントモードにした際にテクスチャが表示されない場合
Spotlight Radius に0以外の値が入っていないか確認して下さい。
テクスチャを複数配置したい場合
起動方法と同様の手順を繰り返します。
テクスチャの外側の空いてるスペースをクリックすると全てのテクスチャをまとめて操作できます
Spot Lightの保存と読み込み
SpotLightに読み込んだテクスチャは、別ファイルとして保存することができます。
別ファイルとして保存することで、スキンセット・壁/コンクリートセットなど自分なりのテクスチャセットを作成し、効率よく作業をすることが出来ます。
機能
1:Rotate
テクスチャを回転させます。
Shiftを押しながら行うと内側の刻み目にフィットして回転します。
2:Scale
テクスチャをスケーリングさせます。
CTRLを押しながら行うと不均等スケールをかけることが出来ます。
3:Pin Spotlight
ストローク開始時に使用するテクスチャの開始ポイントを指定できます。
SpotLightダイヤルの中心をテクスチャの使用開始したい部分に移動させる必要があります。
4:Spotlight Radius
PinSpotLightで指定されている部分を円状確認することが出来ます。
ペイントやスカルプトをするにあたり、テクスチャのどの部分を使用するかをプレビューします。あくまでプレビューのため、Drawsize 、RGBIntensity、ZIntensityに影響を与えることはありません。
デフォルトでは0に設定されているため見えていませんがアイコンを時計回りにドラッグすることで表示、半径を制御出来ます。
5:Opacity
テクスチャの不透明度の変更。
ただし、ペイントやスカルプトには影響しません。
6:Fade
重ね合ったテクスチャをミックスしてブレンドするために不透明度を制御します。
デフォルトでは0のため、Fade機能は働いていません。
7:Tile Proportional
テクスチャのピクセルサイズ(解像度)に基づいてドキュメントの左側に寄せます。
もっとも大きなテクスチャは上部に配置され、ビジュアル的にも大きく表示されます。
テクスチャを選択すると、実際のサイズがインターフェースの左上に表示されます。
8:Tile Selected
選択したテクスチャが大きく保たれ、それ以外のテクスチャは選択したテクスチャの下に配置されます。
9:Tile Unified
全てのテクスチャが同じサイズでドキュメントに左側に配置されます
10:Front
選択したテクスチャを前面に
11:Back
選択したテクスチャを背面に
12:Delete
選択したテクスチャを削除
13:Flip H
選択したテクスチャを水平反転
14:Flip V
選択したテクスチャを垂直反転
15:Tile H
時計回りにドラッグすると水平方向にタイリング
SHIFT+ドラッグで水平・垂直同時にテクスチャをタイリングすることが出来ます。
タイリングを戻したい場合
アイコンを反時計回りにドラッグ。
16:Tile V
時計回りにドラッグすると垂直方向にタイリング
SHIFT+ドラッグで水平・垂直同時にテクスチャをタイリングすることが出来ます。
タイリングを戻したい場合
アイコンを反時計回りにドラッグ。
17:Grid
テクスチャにチェックパターンやグリッドラインを表示します。
時計回りにクリック&ドラッグすると、チェックパターンが適用されます。
反時計回りにクリック&ドラッグするとグリッドラインが適用されます。
位置やプロポーション、長さなど測るために便利です。
Gridカラーの変更
チェックパターンやグリッドの色は現在Colorパレットで選択されているMainColorによって設定されます。
Grid適用した画像を元に戻したい場合
Restoreアイコンを時計回りにクリック&ドラッグします。
18:Restore
Grid,Clone, Smudge, Saturation, Hue, Intensity, ColorやFillなどの効果を元に戻す機能です。
アイコンを時計回りにクリック&ドラッグ:選択された画像を元に戻すことが出来ます。
ブラシを使用して部分的に元に戻す
Restoreアイコンをクリックして、ペイントします。
RGB Intensityスライダーで強度をコントロールすることが出来ます。
19:Nudge
ブラシを使用し、テクスチャを部分的に伸ばしたり、歪ませたり移動させたりする機能です。
Nudgeアイコンをクリックしたのち、ブラッシングすることでテクスチャにゆがみを与えます。
ブラシの強度はZ Intensityスライダーで調整。
滑らかにするには、SHIFTキーを押したままブラッシングします。
Nudgeの特徴
- Nudge brushは4段階の解像度のレベルを持っています。
解像度を上げるにはDキー/下げるにはSHIFT+D。
高解像度では画像を微調整するために制御しやすくなり、低解像度ではSHITFキーを使用してのスムージングに大きな効果をもたらします。 - Nudgeブラシが選択されている間はブラシモードになります。
SpotLightの中でロードされたどんな画像でもクリックすることでNudgeを適用できる状態になる。 - このブラシモードを止めるには、もう一度Nudgeアイコンをクリックします。
- Nudge brushは4段階の解像度のレベルを持っています。
元に戻したい場合
- CTRL+Z
どんなNudgeも段階的に元に戻すことが出来ます。※Restore機能では戻らないので注意! - Nudgeアイコンを時計回りにクリック&ドラッグする
Nudgeを適用する前の元の状態に戻ます。
20:Clone
選択しているテクスチャ又はSpotlightでロードされているテクスチャ上に他のテクスチャを部分的に描画することが出来ます。
Cloneアイコンをクリックしたのち、コピー先のテクスチャにブラッシングします。
ブラシの強度はRGB Intensityスライダーで調整。
Clone元はSpotLightダイヤルの中心オレンジ色の円です。
このブラシモードを止めるには、もう一度Cloneアイコンをクリックします。
Restore機能で元に戻すことが出来ます。
21:Smudge
テクスチャをぼかすことが出来ます。
全体をぼかすにはSmudgeアイコンを時計回りにクリック&ドラッグします。
一気にやるとボックス状のブラーがかかります。
ブラシを使用して部分的にぼかす
Smudgeアイコンをクリックしペイントします。
ブラシの強度はRGB Intensityスライダーで調整。
このブラシモードを止めるには、もう一度Smudgeアイコンをクリックします。
Restore機能で元に戻すことが出来ます。
22:Contrast
テクスチャのコントラストを調整します。
全体のコントラストを調整するにはContrastアイコンをクリック&ドラッグします。
時計回り:コントラストを上げる
反時計回り:コントラストを下げる
ブラシを使用して部分的にコントラストを調整する
Contrastアイコンをクリックしペイントします。
ブラシの強度はRGB Intensityスライダーで調整。
コントラストを下げるにはALTを押しながらペイントします。
このブラシモードを止めるには、もう一度Contrastアイコンをクリックします。
Restore機能で元に戻すことが出来ます。
23:Saturation
テクスチャの彩度を調整します。
全体の彩度を調整するにはSaturationアイコンをクリック&ドラッグします。
時計回り:コントラストを上げる
反時計回り:コントラストを下げる
ブラシを使用して部分的に彩度を調整する
Saturationアイコンをクリックしペイントします。
ブラシの強度はRGB Intensityスライダーで調整。
彩度を下げるにはALTを押しながらペイントします。
このブラシモードを止めるには、もう一度Saturationアイコンをクリックする。
Restore機能で元に戻すことが出来ます。
24. Hue
テクスチャの色相を調整します。
全体の彩度を調整するにはHueアイコンを時計回りにクリック&ドラッグ。
ブラシを使用して部分的に色相を調整する
Hueアイコンをクリックしペイントします。
このブラシモードを止めるには、もう一度Hueアイコンをクリックします。
Restore機能で元に戻すことが出来ます。
25:Intensity
テクスチャの輝度を調整します。
全体の輝度を調整するにはIntensityアイコンをクリック&ドラッグします。
時計回り:輝度を上げる
反時計回り:輝度を下げる
ブラシを使用して部分的に輝度を調整する
Intensityアイコンをクリックしペイントします。
ブラシの強度はRGB Intensityスライダーで調整。
輝度を下げるにはALTを押しながらペイントします。
このブラシモードを止めるには、もう一度Intensityアイコンをクリックする。
Restore機能で元に戻すことが出来ます。
26. Paint
カラーのストロークをペイント、テクスチャの一部又は全体を選択したカラーでペイント出来ます。
Paintアイコンが選択されている間、ブラシモードになります。
SpotLightにロードした画像をクリック、選択したテクスチャに描くことが出来ます。
ペイントする色はColorパレットのMain Color、ALTキーを押すことでsecondary Colorに切り替えることが出来ます。
カラーの強度はRGB Intensityスライダーで調整。
テクスチャの一部又は全体を塗りつぶすことも可能です。
全体を塗りつぶし
main color又はsecondary colorでテクスチャを塗りつぶすには、最初に塗りつぶしたい画像を選択し、Paintアイコンをクリック&ドラッグします。
時計回り:main colorで塗りつぶす
反時計回り:secondary colorで塗りつぶす
テクスチャの一部塗りつぶし
Paintブラシが選択されている間、画像の一部をmain colorで塗りつぶすことが出来ます。
Ctrlキーを押しながら、塗りつぶし始めたいところをクリック&ドラッグ。
遠くにドラッギングするにしたがってmain colorを塗りつぶしていくので望むエリアを塗りつぶすまで、ドラッグを続けます。
ブラシサイズによって塗りつぶし領域のディテールは変化します。
小さいブラシほどより細かな境目を検知して塗りつぶします。
ドラッグ中、望まないエリアまで色を塗りつぶしてしまった場合、ドラッグの方向を逆にし、スタート位置に戻ることが出来ます。スタート位置にドラッグして戻ることによって改めての望むエリアを塗りつぶすことが出来ます。
マウスボタンを離すと、塗りつぶしはストップするため、このドラッグを繰り返して、好きな色でテクスチャの他の部分を塗りつぶすことが出来ます。
アウトラインの作成も可能
塗りつぶしの間、Shiftを押すと塗りつぶしている領域の周りを若干縮小することが出来ます。
この機能を利用してアウトラインを作成することも可能です。
短いドラッグ操作を繰り返すことで、より複雑な画像の塗りつぶしを実行することが出来ます
透明になっても透明なエリアは画像から削除されたわけではありません。その透明なエリアに再び色をつけることが出来ます。
このブラシモードを止めるには、もう一度Paintアイコンをクリックします。
Restore機能で元に戻すことが出来ます。
まとめ
ZBrush上でテクスチャを編集できるツールですね。
ザックリとした加工であればPhotoshop要らずで対応できるのがミソ。
とりあえず、Nudgeを除く大半の機能はCTRL+Z戻らないことを理解しておかないとなりませんね。
(癖でCTRL+Zを押すとモデルに影響が出てしまいます)
リファレンス画像表示として利用するなら他にも色々あるのでそちらもご利用下さい