「Autodesk Maya パーフェクトリギング ウェビナー Part 1&2 」で Part 2のセカンダリーリグの入れ方、セットアップの方法のメモです。
今回はウェビナーで使用していたキャラクターのスカートにリグを仕込む工程が解説されていました。
長いのでいくつか分割します。今回はジョイントの配置とミラージョイントを行った際の軸の修正方法についてまとめました。
Part 1ではプライマリリグとして、3rdプラグインのAdvanced Skeletonを使用していましたが、セカンダリーリグに関してはMaya標準のジョイントを使用して、リグを構成・セットアップを行っておりました。
関連記事Advanced Skeletonについてはこちち
前回同様、これが正解!というものではありませんが一例として学ぶに良いのかと思います。
関連記事前回の記事
人様の実作業の様子を動画で見れる機会なんてなかなかないので貴重ですよね。
ありがたいです。
ウェビナー配信が期間限定のため今後のためにも残しておきたいと思います。
画像はMaya 2016 Extension 2です。
fa-arrow-circle-rightAutodeskのウェビナー
配信は2018年8月31日までの限定配信のため、見たい方はお早めに登録を!
セットアップ前にモデルの確認を
ウェイトをつける前には必ず会社やプロジェクトの仕様に則っているか、モデルの確認が必要です。
ウェビナーで触れられていたモデルの確認事項は別途まとめました。
関連記事
ジョイントの作成
Skelton>Create joint で必要数の作成を行います。
まずはJointOrientを0にして汎用性の高いジョイントに修正
Create jointで適当に作成したジョイントは、初期状態で角度がついていてもチャンネルボックス上のRotateはXYZが0の状態になっています。
その要因としてアトリビュートエディタを開いて確認できるjoint orientで角度の差分を吸収してくれていることにあります。
このJoint Orientに入っている値を0にすることで、ビジュアル・数値共に綺麗な値になります。
こんな感じ。
このジョイントを配置していきます。
ジョイントの配置
通常のトランスフォーム(移動・回転)を用いて配置をしていきます。
ウェビナーでは階層の一番親のジョイントはTranslate(移動)、残りはRotate(回転)で合わせていきました。
子階層のジョイントのTranslateは1軸のみが望ましいです。
他にもある!ジョイント配置方法のあれこれ
回転だけで位置あわせをしていくのが若干手間なので、他の用法も調べて見ました。
方法1:Moveの設定にあるAutomatically Orient JointsをONにして移動する
moveのアイコンをダブルクリックすると出てくるMoveToolの設定にAutomatically Orient Jointsという項目があります。
こちらをONにしてTranslateを行うと自動で、Orient jointに値が吸収されて、Rotateは0のまま維持されます。
translateも1軸のみになります。
方法2:通常のmoveで調整した後、Skelton>Orient joint でjointOrientを修正する
などやり方は色々あるようです。
配置のポイント
- モデルやデザイン、リグの構造によるところも大きいですが、セカンダリーが付属するプライマリと似たような位置にあると望ましい。(ex:スカートのジョイントの位置は太ももの位置あわせる)
- メッシュのエッジに合わせる
- 円柱上に配置する際には、体の中心に配置したNullオブジェクトを親にして回転・調整すると綺麗にいく
- ジョイントにはわかりやすい名前をつける(パッと見たときにどのジョイントかわかるように)
特に左右は、ジョイントをミラーリングする際にもLeft/Rightなどの情報を置換することが出来るので名前をしっかりつけておく。
関連記事リネーム方法についてはこちら
ジョイントのミラーリング
赤丸で囲ったジョイントをミラーリングします。
ミラーリングの設定
とりあえず、一般的なX軸でミラーリングする際にはこのような設定にします。
細かな設定を知りたい場合は公式サイトへどうぞ
ローカル軸での挙動に注目!
ミラーリング直後にジョイントを選択してまとめて動かすと、ミラーしたジョイントの挙動がおかしなことになっています。
ローカル回転軸を表示して確認
ジョイントを選択し、Display>Transform Display>Local Rotation Axesを選択します。
ミラーリングしたジョイントだけ軸が異なってますね
ミラーしたジョイントの軸修正方法
今回のモデルでの理想の動きはこの様に、まとめて選択し、ローカルで回転させた際に同じ方向を向く・移動させた際に同じ挙動をするというものです。
方法1:アンペアレント→Rotateに180
こちらはウェビナーで解説されていた方法です。
-
- 一旦ワールドに、ミラーリングした全てのジョイントを出して、まとめて選択
- Rotate:Zに180を入力、その後、Rotate:Zを選択したまま右クリック>Freez>ALL(またはRotate)で値をフリーズします。
moco本来この調整方法で修正されるはずなのですが、なぜが再現できず(泣)
私の環境ではRotate:Yに180を入力すれば修正できました。どのRotateに値を入れるかは、表示された軸を見ながら検証するのがおすすめです。 - 再度、親子関係に戻します
FreezeはRotateに0を入力→初期位置に戻るという状態にするためにも必須ですね
方法2:Orient joint+Amaterasuの機能【未検証】
こちらは未検証ですが、上記ミラーの修正方法を検索していた際に出てきたまとめ記事のご紹介です。
何が正解!?Mayaでジョイントの方向を一括修正するフローを解説したまとめ
とりあえず修正ができました。
まとめ
次回はジョイントにコントローラーを仕込むところあたりをまとめたいと思います。
ジョイントの仕込み方に関しては、ゲームや映像などでまた異なってくる点が多いかと思いますが
fa-check-circle-oジョイントの回転を0にすると初期位置に戻るように
fa-check-circle-o子ジョイントには1軸の情報のみであれ
fa-check-circle-oミラージョイントを行った際は、ローカルの挙動を要確認・修正
といったところは、どの環境においても必須な気がします。
関連記事Autodeskのコラムにも注目!
セットアップ・リギングを行うための参考書籍
自分でリグを作りたい!セットアップを行いたい!基本を学びたい!という方におすすめの書籍です。
マヤ道! ! : The Road of Maya (CG Pro Insights)
リグの実践的なノウハウを学ぶ前によみたい根本的なMayaの仕組みを理解することを目的とした本です。
初心者が躓きやすいポイントの解説もあります。Mayaユーザーなら1冊は持っておきたい良書です。
何よりマンガで解説されているので、スッと入ってきやすいのではないでしょうか。
主人公(新人モデラー)の上司のつぶやきとして、セットアップ前のオブジェクトの不備についても触れられています。
Maya リギングー正しいキャラクターリグの作り方
実践的なリグの組み方を基本的なところからキャラリグまで学べる書籍です。
0ベースからリグを組み立てる工程をサンプルデータと共に解説しています。
リグを作成する際の具体的なルールやリグにおけるデフォーマーの使い方、ノードのつなぎ方、ドリブンキーの使用etc、実制作を通して丁寧に解説されています。
第2版が出ていました。
Mayaキャラクターリギング
Mayaベーシックス アニメーション&セットアップ基礎力育成ブック
アニメーションを中心としたオールラウンドに解説された書籍です。
グラフエディタの操作から、階層アニメーション、パスアニメーション、カメラのアニメーション、ドリブンキーの用法、リグやスキニングなど広く要点を押さえた解説がなされています。