観客によりわかりやすくストーリー(情報)を伝えるためのデザインを組み立てるためのポイントのご紹介です。
アニメーターの皆さん。
アニメーションにおける「デザイン」と聞くと何を思い浮かべますか?
ポージング?フェイシャル?
2018年8月31日Sony Pictures Imageworks の若杉遼さんによるCyberAgent 3D Academy~アニメーション講座 観客に”伝わる”動きを作るコツに参加してきました。
若杉さんのセミナーやTwitter をガン見している人にはなじみ深い話+αのお話を聞けることができた有意義な時間でした。
今回もボリュームあるお話を伺えたため、3回に分けてご紹介します。
3回目は
・アニメーションの基本:フィジックス(物理)とデザインについての解説のうちデザイン部分について
・懇親会の様子
をお伝えできればと思います。
結論から言ってしまえば、前回同様
fa-check-circle-oCGアニメーター向けすぐ使えるメモを熟読しましょう
という一言に集約されます。
セミナーのメモ及び、これまで参加したセミナー、個人的なかみ砕き・見解も含めたまとめのため、実際のセミナーの内容とは異なる部分があるかと思いますがご了承ください。
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デザインについて
今回のセミナーで語られたデザイン面に関しては2つ。
- 緊張と緩和
- アピール
それぞれ体全体で表現するポージングとフェイシャルポーズでのポイントが紹介されていました。
緊張(Tension)と緩和(Relax)
基本的にアニメーションの90%程度は緩和、10%程度は緊張で成り立っています。
緊張状態:力が入ってる
緩和状態:力が抜けている
コレはどういうことかというと、普段の自分達が生活を省みるのが手っ取り早いです。
ずっと眉間に皺を寄せて生活していますか?常に体がこわばった状態で生活していますか?
緊張とは感情の変化。
常時ではなく要所要所に入ってくるものとして、アニメーションを作成する際にも意識しましょう。
顔は最もストーリーを伝えるパーツ!サブテキストを意識しよう
観客にストーリー(情報)を伝えるパーツとして、最も表現豊かなのは顔。特に目や眉です。
また、サブテキストとはキャラクターの真意を指します。
セリフがあるからと言って、キャラクターの真意が一致しているとは限りません。
サブテキストを踏まえた上で、表情による微妙な差で印象が大きく変わるので、より繊細なチョイスが必要とされています。
【チェック!】感情の度合い~CGアニメーター向けすぐ使えるメモ17~
若杉さんがTwitterで公開される(fa-twitter@Ryowaks)CGアニメーター向けすぐ使えるメモ6をご確認ください。
表情を作るのが苦手だという人の為に、微妙なニュアンスも表情で表現するために普段から考えている事をまとめてみました😆💨「緊張と緩和」の話も大きく関わってくるので、こちらも参考にしてもらえる嬉しいです💫
「緊張と緩和」について→https://t.co/syTdLgJhtY pic.twitter.com/am8RbAhOeC
— Ryo Wakasugi (若杉 遼)海外CGアニメーター (@Ryowaks) 2018年3月7日
【チェック!】CGアニメーター向けサブテキストの正体
サブテキストはストーリー(情報)を伝えるにあたり非常に重要なポイントのためか、若杉さんも(fa-twitter@Ryowaks)CGアニメーター向けサブテキストの正体として単独でかなりのページ数で解説されています。
絵やアニメーションをつくる時に役に立つ”サブテキスト”というものについて書いてみました。読んで貰えると嬉しいです😀 pic.twitter.com/fFG8svEnRZ
— Ryo Wakasugi (若杉 遼)海外CGアニメーター (@Ryowaks) 2018年2月17日
肩は第二の眉!肩の動きを意識しよう
目や眉の次に何処が表情豊かかと言うと実は肩なんです。
肩は第二の眉と呼ばれていてポージングの要です。
古今東西、昔からと感情は切っても切れない関係だったりします
【チェック!】肩について~CGアニメーター向けすぐ使えるメモ27~
肩の動き、ポーズについて普段から気をつけているポイントをまとめて見ました💨とても簡単なので、ちらっと見て貰えると嬉しいです😆「緊張と緩和」についてもっと知りたい人はこちらのツイートも見て貰えると嬉しいです!https://t.co/syTdLgrG5o pic.twitter.com/ZoDqKrHxoT
— Ryo Wakasugi (若杉 遼)海外CGアニメーター (@Ryowaks) 2018年3月17日
指先にも意識を向けよう
指もかなりの情報量をもっているパーツの一つで、指のポーズの変化によって得られる印象が変わります。(握り方一つで、女性ぽっく見えたり、力強く見えたりetc)
ブロッキングの段階でもポーズとしてつけておくのがおすすめ!
(※ブロッキングとは制作工程の一つ。初期段階の工程。日本ではアニマティクスと表現するところも少なくない)
指先のポーズをつけていないせいでほかのパーツで表情を補い、結果無駄な動きが増えてしまうこともあります。
ほかのパーツのボーズが良くとも、指のポージングで台無しにしてしまうこともあります。
指先も大事です。
参考ブロッキング含む海外の製作工程についてはこちらで解説されています
藤原淳雄氏(Sony Pictures Imageworks シニアアニメーター)>>12原則は各工程でどのように使われるのか
アピール(Appeal)
12原則の一つですね。訴える力。
かっこいい、可愛いではなくそのキャラクターらしさが出ているか。
ポーズを見ただけでどういうキャラクターなのかわかりやすく表現されていることが大事です。
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良いポーズの定義とは?
良いポーズの定義としていくつかあげられます。
- 左右非対称
- シルエットでわかる
- Rhythm(リズム), Tilt(傾き), and Twist(ひねり).
- Line of Action
など
あくまで基本的な考えであって、意図して上記定義に反するデザインを作成するパターンもあります。
参考
共通していえることは
キャラクター性とシチュエーションによってポーズの良し悪しは異なる!
ストーリーなどキャラクターのバックグラウンドを知らずして判断してはいけないということですね。
これらの良いポーズに関しては(fa-twitter@Ryowaks)CGアニメーター向けすぐ使えるメモでも事細かに解説されています。
【チェック!】ポーズの左右対称~CGアニメーター向けすぐ使えるメモ2~
CGアニメーター向けすぐに使えるメモ、”ポーズと左右対称”について書きました😀さくっと読めるので、読んで貰えたらうれしいです✏️ pic.twitter.com/10z8CAMsir
— Ryo Wakasugi (若杉 遼)海外CGアニメーター (@Ryowaks) 2018年2月19日
【チェック!】シルエットについて~CGアニメーター向けすぐ使えるメモ4~
CGアニメーター向けすぐに使えるメモ、”シルエット”について書きました🗣️ ざっくりと大事なポイントだけ抑えてみました。すぐに使えると思うので、良かったら見てもらえると嬉しいです👀 pic.twitter.com/yAO3t5Ju3e
— Ryo Wakasugi (若杉 遼)海外CGアニメーター (@Ryowaks) 2018年2月21日
【チェック!】ラインオブアクション基礎編~CGアニメーター向けすぐ使えるメモ9~
絵を描くときや、アニメーションでよく使われるラインオブアクションとはなんなのか??について<基礎編>として簡単にまとめてみました。読んで貰えると嬉しいです🤸♂️コレを元に次回<応用編>もっと面白いこと書きます😎 pic.twitter.com/tPBpFby2si
— Ryo Wakasugi (若杉 遼)海外CGアニメーター (@Ryowaks) 2018年2月27日
【チェック!】傾きとひねりとリズム~CGアニメーター向けすぐ使えるメモ39~
みなさんディズニーのアニメーター、グレンキーンって知ってますか❓実はグレンキーンの良いポーズを作る為の3つのポイントというのがあるんです😆💨今回はどうすれば、かっこいいポーズが作れるか❓その3つのポイントを中心に僕が普段から気をつけている事をまとめてみました😆💨 pic.twitter.com/mxpL6SkbNL
— Ryo Wakasugi (若杉 遼)海外CGアニメーター (@Ryowaks) 2018年4月3日
元モデルのデザインを意識・尊重しよう~CG上での作画崩壊:オフモデル~
3Dで作られているので作画崩壊なんて、、、!!と思われる方もいるかと思いますが、
過度なスクワッシュ&ストレッチによる見た目の崩壊やキャラクターの設定に反する動きなどその定義は幅広いです。
元のモデルを尊重しないとそのキャラらしさというアピールを引き出すのが難しくなってしまうので要注意。
参考リンク
今回のセミナーの内容他、様々な参考になる情報を発信されているので、ご注目!
- 若杉さんのツイッター(fa-twitter@Ryowaks)
- CGアニメーターむけすぐ使えるメモ
- ジェスチャードローイング
- Animation Aid(若杉さんも講師のお一人!)
- 若杉さんのyoutubeチャンネル(fa-youtubeRyo Wakasugi)
懇親会-様々な業種・立場の人たちが集まっていた-
今回はセミナー後に懇親会という非常にありがたい時間が設けられておりました。
アニメーションのセミナーと言う事で、映像業界やゲーム業界のアニメーターやアニメーター志望の方がほとんどかと思いきや、以外にも広告業界やアニメーションを全くやったことのないプログラミングをやられている方etc。
名刺入れの紐が色分けされていたことで、大体の業界が一目でわかるため会話もしやすかったです。
- 青→映像関係のクリエイター
- 赤→ゲーム関係のクリエイター
- 黄色→その他
- 緑→社員
当然、若杉さんも参加。名刺の交換とわずかではありましたがお話することが出来ました。
私自身全ての方と言葉を交わしたわけではないですが、数多くの方と名刺を交換することができました。
今すぐにどうこうはないですが、折角つながった縁ですのでいつかお仕事などでご一緒できれば幸いです。
今回の企画・運営をしてくださったCyberAgentと関連会社の皆さま、若杉さんありがとうございました。
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