モデルの形状を維持したままポリゴンを減らしてくれるプラグインDecimation Master(デシメーションマスター)の使い方と各設定についてご紹介します。
どうやって使えばいいの?
減らすには%をどっちに設定すればいいの?
どのタイミングで使うものなの??
となど折角あるにも関わらず使ってない人は多いのではないでしょうか?
私も機能の存在は知ってはいたもののセミナー内でその存在に言及されるまで意識していなかったため調べてみました
この記事では
fa-check-circle-oDecimation Masterの使い方
fa-check-circle-oDecimation Masterの各設定
をまとめています。
- Blender等他ソフトを使用したレンダリングに向けてデータを軽くしたい人
- UE4等ゲームエンジン用にデータを軽くしたい人
- 3Dプリント用にデータを軽くしたい
参考
Decimation Master | ZBrush Docs
関連記事sdivのフローにしたい場合はこちら
コンテンツ
Decimation Master(デシメーションマスター)とは
スカルプトされたディテールはそのままに、モデルのポリゴン数を効率的に削減することが出来るZプラグインです。
見た目への影響を極力抑えつつポリゴン削減してくれていますね
ZPlugin内に標準でインストールされています。
Decimation Masterの使いどころ。ZRemesherとの違い
ZRemesherが極力四角形にトポロジーを再構成するのと異なり、Decimation Masterは形状の維持を最優先にするため三角メッシュが多く含まれます。そのためデシメーション後のスカルプトは出来ないものと思っておいた方がよいです。
使いどころとしては最終出力直前に適用するのがおすすめ。
関連記事リメッシュをしたい場合はこちら
3ステップ!Decimation Masterの使い方
選択しているSubTool、または表示されているすべてのSubToolをデシメーションすることができます。
- 任意のオプションを設定します(①)
- 最適化のための計算、プリプロセスを行います。(②)
SubTool単体をデシメート処理したい場合はPreprocess current
表示されている全てのSubToolをデシメート処理したい場合はPreprocess all
を押します。 - 計算が完了したら、クオリティを選択してDecimateまたはDecimate allを押します。(③F)
①を変更したら、再び②③を行ってください。
シンメトリモデルをデシメートしたい場合
Transform> Activate Symmetry(Xキー)をONの状態にしてデシメートをします。
マスキングで局所的保護も可
デシメートしたくない部分をマスキングすることで保護することも可能です
Decimation Masterの各設定
Decimation Masterは大きく分けて3つの設定に分かれています。
1-Options オプション
第一段階です。
Freeze Borders
オブジェクトの境界線や開口部にあるエッジや頂点のデシメーションを回避します。
Keep UV’s
既存のUVを考慮してデシメーションの最適化を行います。
UV'sの境界では最適化されにくくなります。そのため、UV'sは、AUVやGUVタイルよりも、手動でアンラップされたUV'sの方が良い結果が得られるでしょう。
Keep & Use PolyPainting
ZToolのポリペイントを考慮してデシメーションの最適化を行います。
Polypaint Weightスライダー
ポリペイントを使用してのデシメーションの品質を調整します。
デフォルト値で品質の点ではほとんど問題ありませんが、特定の最適化を行いたい場合は、このスライダーの設定を変更してください。
2-Pre-processing プリプロセス
第二段階です。
内部的に、プラグインは100%品質から0%品質へのデシメーションを計算し、一連のテンポラリファイル(Progressive mesh:プログレッシブメッシュ)を作成します。
その後のデシメーションでは、このプログレッシブメッシュを読み込んでデシメーション結果を適用します。このプリプロセスの計算時間は、対象のZToolのポリゴン数によって変わります。
算処理をするにあたり各SubToolは、固有の名前を持つ必要があります。同じ名前のSubToolが複数ある場合は、最初にそれらSubToolの名前を変更してください。
時々削除することを忘れないでください。
3-Decimating デシメーション
第三段階です。
モデルのディテールや構造によって異なりますが
- 高品質のデシメーション(40%~100%)では、これだけ多くのポリゴンを削除しても、視覚的な結果はオリジナルモデルとほぼ同じになります。
- 低品質のデシメーション(2%~40%)では、モデルのディテールに顕著な変化が見られるようになります。
% of secimation スライダー
適用するデシメーションのクオリティを選択します。
- 100%はデシメーションなし
- 0.01%は最大デシメーション
k Polys/k Pointsスライダー
数千のポリゴン単位で、頂点/点またはポリゴンの数の目標値を選択します。
Decimate Current
選択したZTool/SubToolをデシメーションします。
Decimate All
表示されている全てのSubToolをデシメーションします。
Decimatingの注意事項
デシメーションは、プリプロセスを行った時点でのZToolとそのパラメータに基づいて適用されます。
プリプロセスを起動した後にサブディビジョンレベルを削除したり、マスクを追加したりすると、デシメーションはこれらの変更を考慮に入れません。
Presets
プリセットボタンでは、ワンクリックでモデルのプリプロセスやデシメーションを行うことができます。Customボタンは先にスライダーで値を設定してから押します。
Utilities
Delete caches
テンポラリファイル(プログレッシブメッシュ)が削除されます。
この操作は元に戻すことはできません。
Export All SubTools
選択中のZToolとSubToolをOBJファイルにエクスポートします。
各SubTool単位をグループ化して出力してくれるため、デフォルトのZBrushのExportよりスッキリとしたデータになります。
参考DemoSoulderをエクスポートした比較
ジオメトリとUVのみをエクスポートし、ポリグループはエクスポートされません。
よくあるトラブルと解決方法
ポリグループはプリプロセスされません
結果として得られるモデルには、元のポリグループはありません。
モデルのポリグループが最低解像度レベルのポイントに依存しているからです。デシメーションマスターメッシュの最低解像度を変更することであり、もちろんポリグループにも影響を与えます。
途中で変更を加えた場合、再度プリプロセスを
プリプロセスとデシメーションの間にモデルが編集されている場合は、プリプロセスを再度実行する必要があります。
編集されていない場合、デシメーションは元のモデルに基づいて行われます。どっちかよくわからない場合は、新しいプリプロセスを実行してください。
プリプロセス後、別のZToolが表示される!?
SubToolの名前が同じものになっていないか要確認。
この問題を解決するには、
- SubToolの名前を変更して、再度プリプロセスを行う。
- Utilities > Delete Cachesボタンをクリックしてキャッシュを削除することです。
プリプロセスを中断したい
ESCキーを押します
まとめ
Prefarence>Decimation Masterにもいくつか設定がありますが、特殊なニーズがある場合のみに設定を。とのことだったので割愛してます。
Decimation Masterを使う際には
fa-check-circle-oSubToolの名前に注意
fa-check-circle-oとりあえず何をしてもプリプロセスを実行しましょう
fa-check-circle-o終わったら Delete Cachesを押しましょう
という3点をおさえておけば良さそうです。
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