安岡 篤志氏『筋肉制作~骨から考えるzivadynamicsを使ったクリーチャー制作の秘訣~』受講記録①

2024年2月に行われたCGWORLD企画、 クリーチャーのオリジナル動画で有名な安岡 篤志氏の講座、『筋肉制作~骨から考えるzivadynamicsを使ったクリーチャー制作の秘訣~』の受講記録です。学習メモ。

 

この記事では

『筋肉制作~骨から考えるzivadynamicsを使ったクリーチャー制作の秘訣~』での学び

をまとめています。

 

 講座を元に個人的に整理、解釈も織り交ぜているので、そのままの受講内容ではありません

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安岡 篤志氏

クリーチャーアーティストであり、(株)クリーチャースタジオの代表でもある安岡氏。

3児の年齢が近い父ということで、以前よりSNSでフォローさせて頂いている御方でもあります。

筋肉制作~骨から考えるzivadynamicsを使ったクリーチャー制作の秘訣~

ワニのモデルを使った骨のモデリングから始め、筋肉シミュレーション、さらには筋膜や皮膚のシミュレーションまで、幅広い内容の解説

  • 骨から考えるクリーチャー制作の秘訣
  • 筋肉シミュレーションのワークフロー

 

骨・筋肉に興味ある方、リアルな造形動きに興味ある方に向けて新たな視点を提供したいというのが今回の動画の主旨。

たぷんたぷんな皮膚を何時もどうやって作成されていたのか気になっていたので即購入です!

ワニの題材から

骨のモデリングから始め、筋肉シミュレーション、サラには筋膜や皮膚のシミュレーションまで幅広く解説。

  • 骨は動物の身体の基盤となる重要な要素。
  • 正確な骨格を創り上げることで、動物の姿勢を自然に再現することが出来る
  • 身長を再現することで、筋肉シミュレーションでの筋肉の収縮を再現することができ、よりリアルな動きを表現
  • 筋膜は筋肉を包み込む薄い膜。筋肉の形状や動きに影響を与える
  • 皮膚は、動物の外見を決定する重要な要素で質感や表情を再現することで、よりリアルなキャラを作成

骨から考えるクリーチャー制作の秘訣

使用ツールは以下7つ。

順を追って解説がなされました。

  1. Clip Studio Paint→コンセプトデザイン
  2. Maya→モデリング(骨、筋肉、ベース)〜リグ・アニメーションまで
  3. ZivaDynamics→Mayaのプラグイン。筋肉
  4. ZBrush→ディテールスカルプト(筋膜のモデリングはこちら)
  5. Sunstance3DPainter→テクスチャ
  6. Blender→レンダリング
  7. AfterEffects→コンポジット、サウンド

moco

とてもボリューミィ!

Clip Studio Paint】コンセプトデザイン

Clip Studio Paintを使ってコンセプトデザインを描きます。

実際のワニの構造・骨格をしっかりと理解した上で、更に魅力的に見えるようにオリジナリティを+。

Mayaモデリング前の準備

骨格の三面図を描く

先ずは、ワニの骨格を自らの手でイラストにおこします。
ワニの骨は非常に複雑であり、また多くの小さなパーツから構成されているため、細部にわたる観察力や正確な描写力が求められます。
骨を描くことはとても重要。

横から描くことで

  1. 頭部の形状や顎の位置、歯の配置などを正確に描くことでより生き生きとしたワニが作成できる
  2. 胴体の骨格構造を描き、背骨や肋骨の曲線や長さを正確に再現
  3. 尾部の骨格構造を描き、尾ビレの特徴を理解する

正面から描くこと非常に困難ではあるが、骨の太さや曲線など観察すべきところは沢山あります。

上から描くことは、Mayaでのモデリングを容易にしてくれます。

骨格を把握すること
  • モデリングの際に正確な形状を作成出来る
  • 骨の配置や関節の動きを考慮することで、よりリアルな動きを再現することが出来る

ワニの三面図を描く

コンセプトデザインを元にした鱗などのディテールは省略したシンプルなワニの横、正面、上面の3面図。

骨格の3面図を重ねて整合性が取れているようにすることで、形状に説得力が増します。

ワニの筋肉を描く

ワニの3面図に重ねるように筋肉をシンプルに描いていきます。

筋肉に関しては情報が少ないため、信頼性の高い資料を参照する必要があります

    おススメ参考書


    コンパクト版もあるもよう

    ココまでやって初めてモデリングに入ります!

    【Maya】骨のモデリング

    1. 描いた骨の三面図をMaya上に配置。
    2. 三面図に沿ってCubeからざっくりと形状をとっていきます

      moco

      関節部分にエッジを追加するようなイメージで。
      とにかくイラストき記載した構造に沿ってCubeを配置・編集していっておりました。
      事前に詳細なイラストを描く必要性がとてもよくわかります。

       

    【ポイント】とにかく最初はシンプルに

    最初はシンプルに作成することで全体を把握しやすくし方向性を明確にすることが出来ます。

    その後、徐々に細かく作業を進めていくことで、細部まで丁寧に仕上げることが出来ます。

     

    段階的なアプローチはミスやミスコミュニケーションを減らし、クオリティアップにもつながります。

    moco

    モデリングに限らず、制作の共通ポイントですね~

    複数人でのプロジェクトにも生かせる考え方

    ザックリとでも全体把握→詳細を作成していくというフローは、進捗状況が可視化されやすくなるため、途中経過の確認や修正も容易になります。

    作業の負荷も早めに把握、均等に分散しやすくなるため、メンバーの負担軽減やモチベーションの維持にも寄与します

    【Maya】ワニのモデリング(べース)

    骨同様Cubeから始めます。

    1. 描いた骨の三面図をMaya上に配置。
    2. 三面図に沿ってCubeからざっくりと形状をとっていきます(多面体も使用しつつ)

    三面図の有用性

    三面図は物体の正面図、側面図、上面図を描くことで立体的な形状を正確に表現する手法。

    制作に必要な寸法を容易に把握することが出来、各面の関係性やバランスを確認することも可能です。
    制作する物体のイメージを具体化し、効率活正確な作業をすることが出来ます。

    想像力を刺激する効果もあり!
    物体を立体的に表現するには想像力や空間認識能力がもとめられ、三面図を描くことはこれらの能力を機変えることが出来ます。物体の形状や比率、バランスを考慮しながら描くことで美しいデザインを生み出すことが出来ます。

    観察するだけでは限界がある
    三面図を描くことで物体の内部構造や仕組みをより詳細に理解することが出来ます。

    論理的思考や問題解決能力を養う
    物体を正確に描くには寸法や比率を計算し、複雑な形状を分解して考える必要があります

    ■とみおかさとし氏も三面図の有効性を語られています

    【ZBrush】ワニのモデリング(スカルプト)

    ZBrush内で目と歯を追加。Skinshade4

    1. いきなり鱗をスカルプトするのではなく、先ずはメッシュに鱗のガイドラインを引く
      おおよそ鱗のディテールの境目やサイズ感等
    2. ある程度のガイドラインが出来た所で、実際のスカルプト(安岡氏の鱗ブラシ!)
    3. 鱗ブラシでは一つ一つ丁寧に描いていきます
      セミナー参加者特典の安岡氏の鱗ブラシ。
      意図をもってひとつづつ使い分けていきます

      セミナー参加者特典データのワニのモデル
      意図して使い分けられた鱗

    関連記事Skinshade4」はのぶほっぷさんのセミナーでも愛用されていたデフォルトのシェーダーです

    仕事を効率的にやっていくために知っておきたい仕事術

    ポモロードテクニック

    仕事の生産性を上げる時間管理術の一つ。

    ポモドーロ・テクニックとは、集中する時間と休憩時間を繰り返すことで、仕事のペースを生み出す時間管理術の一つです。
    起業家で作家のフランチェスコ・シリロ氏が提唱したタイマーを活用した時間管理手法で、「ポモドーロ」はイタリア語で「トマト」の意味。シリロ氏がトマト型のキッチンタイマーを愛用していたことから、この名前がつきました。

    手順は以下の通り。

    タイマーを25分に設定して作業を開始する
    タイマーが鳴ったら、3~5分の休憩をとる
    4~5回に1回は、15~30分の長めの休憩をとる

    生産性がグングン上がる!「ポモドーロ・テクニック」って知ってる?-リクナビNEXTジャーナル

    moco

    25分の周期が短いようであれば
    50分作業+10分の休憩という手法もあり

    あくまで一例で、自分に合った区切り方を見つけることが大事。

    SMARTの法則(スマートの原則)

    目標を達成する上で欠かせない、5つの成功因子。

    SMARTの原則とは、目標を達成する上で欠かせない、5つの成功因子で構成されたものである。したがって、「SMART」は、5つの成功因子の頭文字からつくられた言葉だ。

    「S」Specific:具体的で分かりやすい目標となっているか
    「M」Measurable:数値などで測定ができる内容であるか
    「A」Attainable:目標達成が可能である範囲であるか
    「R」Result-based:現実的で成果を重視しているか
    「T」Time-oriented:期限が明確に設定されているか

    SMARTの原則を活用するならば、5つの要素をしっかりと押さえておこう。

    SMARTの原則とは?正しい目標の設定方法- Goalous-

    moco

    SMARTの元の語源ははサイトによって微妙に違っているので色々調べてみるのが良いやもしれません

    その他

    • タスクの優先順位をつける
    • タスクをカテゴリーわけしたり
    • プールリスト(持ちタスクのリスト化)
    • タスクを小さくして分割して取り組む

    筋肉作りからは次回。とても濃密な作業拝見

    全体は3時間もの長さがありますが、今回まとめられたのはそのうちの30分。

    一朝一夕でマネできるものではありませんが、リアリティ溢れる安岡氏のモデルの源泉を垣間見ることができました。

    事前準備がとても精密!続きの受講も楽しみです

    アニメーション関連書籍

    ■『アニメーターズ・サバイバルキット』はアニメーターなら持っておきたい一冊

    ■ポーズ作りに
    体の可動域や体格による違いなどの解説もあるので、知識として一読しておきたい一冊

    ■Morie.Ink著

    関連記事レビュー


    ■廃盤になってしまったようなので高額な転売に注意

    ■アニメーションには直接関係ありませんが、画作りに一読しておきたい一冊

     

     

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