【BlenderFes】『可愛いキャラクターができるまで』受講記録

2024年3月に行われたCGWORLD企画、Blenderユーザーのための技術交流イベント『Blender Fes』のセッションの一つ『可愛いキャラクターができるまで』の受講記録です。学習メモ。

 

登壇者はTom氏(@Txx_CG LON氏(@LON_ZUP) 

 

 講座を元に個人的に整理、解釈も織り交ぜているので、そのままの受講内容ではありません
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セッションコンセプト

キャラクターアーティストとして活動中のTomとLONによる、無料の3DCGソフト「Blender」を活用して可愛いキャラクターが出来上がるまでの過程をご紹介します! 普段どういった事を考えながらキャラクターを作っているか、またちょっとしたテクニックやおすすめのアドオン等をご紹介できたらと思っております。 2人のゆるい作品と同様に、ゆる~く楽しんで頂けたらと思います!。

可愛いキャラクターができるまで@Blender Fes

Tom氏/LON氏

お二人共にキャラクターアーティスト

各々のTwitter(X)に行くと、作成されている方向性を見ることが違います。

moco

同じ「かわいい」でも系統が異なることがわかりますよね

LON氏 『ZOOFY』

LON氏のコーナーでは、氏が作成されている『ZOOFY』を元にした解説。

動画、静止画共にストーリー性のある作品を作りたいという想いより作成された『ZOOFY』。

 

ZOOFYというキャラクターを様々なテイストをもって表現し、グッズ販売等展開していっている。

テクスチャはSubstancePainterを使用。

ZOOFYの生まれたきっかけ

仕事の反動

仕事ではリッチで正確で品質の高いものを求められていたため、プライベートではチープでゆるい作品を作りたかった。

 

丸、三角、四角をモチーフにしたキャラクターでめり込みもOK。カラフルでポップに。

ZOOFY制作で意識したこと

トゥーン調や粘土調等様々なテイストで表現するにあたり意識したこと

トゥーン調

  • 手描き感(アウトラインはグリースペンシルのLineArtモディファイヤを使用)
  • シルエット(シルエットだけでキャラを判別できるように)

クレイ調

おすすめのアドオン

Clay Doh

関連記事こちらでもまとめています

ZOOFY制作のフロー

こちらのクマさんを元にした解説

  1. ラフ画
  2. カメラとライティングを決める
    カメラとライティングを先に決めることで、不必要な箇所の作成をしないで済む
    ライティングはHDRIに+してエリアライトを配置
    背景もCubeなどラフモデル
    参考使用しているアドオン
    Poly Haven Asset Browser@Blendermarket
  3. 視線誘導を意識して、ライトやレイアウト調整
  4. コンポジットノードを使用し、雰囲気を組み立てる
  5. アセットを利用した背景制作
    参考使用しているアドオン
    Blender Kit
  6. コンポジットノードを調整
    Depth,Mist,Vectorなど

 

次はこちらのキャラ(静止画ver)

  1. ラフ画
  2. カメラとライティングを決める
  3. キャラを配置後、背景を作成
    参考使用しているアドオン
    Geo-Scatter@Blendermarket
    カメラの映る範囲のみ散布やキャラクタとの衝突判定もした上での配置等もしてくれる
  4. 植物や木の配置
    参考使用しているアドオン
    Botaniq@Blender Market
    GeoScatterで使えるBiomesという植物が既に配置されたプリセットもついている
    関連記事私も持ってます
  5. レイアウト、植物の配置調整
    色味をみて花を追加する等
    参考使用しているアドオン
    Alt Tab Easy Fog@Blender Market
    ワンクリックでフォグを追加。
    フォグにライトを当てると光の筋が出来る。
  6. ライティングの調整
    エリアライト(キャラ用ライト):散乱のチェックを外すとフォグの影響を受けない
    スポットライト:ライトのサイズに数値を入れると光の筋がボケる

TomStudio 『可愛いキャラクターが出来るまで』

Tom氏のコーナーでは、氏が普段どんなことを考えて作成しているかの解説。

TomStudioとは

Tom氏の屋号(?)同名でYoutubeチャンネルも開設されています。
Blenderのチュートリアルで見かけた人は多いのではないでしょうか。

関連記事Tomさんのチュートリアルは基礎オンラインクラスの作品作りでお世話になりました

キャラクターはどんな風に作ってるの?

Youtubeでは語られない制作の裏話。こちらの泳げない鳥を元にした解説。

デザインを考える

  1. アイディアを出すために資料を集める
    • PintrestやTikTok、YoutubeやArtStation
    • キャラが先か、設定が先かはその時々で変わる。
  2. モチーフが決まったらPurerefに並べる
    関連記事
    Pureref
  3. キャラクターのデザインを考える

    • キャラクターの設定を考える。
      当たり前を疑う→アヒルは泳げるもの(当たり前)→泳げないアヒルもいてもいいじゃないか!
      ギャップ→気が弱いトラ、どう猛なウサギ等々。普段のイメージの逆を突く考え方でも面白いものが出来る
    • シルエットを変える。
      ゆるキャラのようにみんなから愛されるシルエットに。
      一目見て泳げなそうという印象をつけたかった。
    • アセット
      浮き輪をつけることで、泳げないこと強調
    • 2Dで描く時はPhotoshop
      2Dを描かず、3Dで模索しながら作成することもある

3Dキャラクター制作

キャラクター制作の流れ

実際には各工程もっと複雑に行き来しているかと思われます。

モデリング

ローポリで作ろう

  • ポリゴンの流れなど細かいことは気にせず(ぶっさしでもOK)作成し、まずはパーツを揃える。
  • 初めから作りこんでしまうと、後々の修正やデザイン変更で時間がかかってしまう
  • なるべくローポリゴンで、全体のシルエットを意識して作成する

パーツを分けよう

  • 個別で作ると楽チン(上記のぶっさしに通ずる)
    泳げない鳥では、体・トサカ・目・嘴・足・手・浮き輪とパーツを分けて作成していた。
  • 最終的にデザイン画確定してから統合

ブラシを使いこなそう

    • プロポーショナル編集を使っての形状の調整が直感的に形づくれるのでおすすめ
    • おススメブラシ
      スライドリラックスブラシ、グラブブラシ、クレイストリップブラシ

アシンメトリーを意識する

  • CGだと便宜上どうしてもシンメトリーで作りがち
  • 現実、どんなキャラでも完全シンメトリーな生き物は存在しない
  • ポーズで左右対称にしておくのもあり

目にハイライトを入れる

  • 目にライトを当てる
  • ハイライト用のモデルを仕込む

顔のパーツは中心に

  • 各パーツを中心に寄せるとデフォルメ感が増す

リギング

Auto-RigPro

  • リグに詳しくない、手軽に終わらせたい人には必須のアドオン
  • これで簡単に設定して、モデルに破綻がないか確認して次工程へ

関連記事私も持ってます

UV展開

TexTools

  • 必須

関連記事各所でおすすめされています

テクスチャ

Substance3DPainter

  • これが無いと生きていけない

レンダリング

レンダリング環境

  • 最初は簡単なスタジオ。スクリーンシート・ライト・カメラ
  • ライトは三点証明(キー・バックライト・フィルライト)

■ライティングの基礎知識は持っておきたいですね




キャラクタの作り方は人の数だけある

今回紹介したフローもあくまで、参考程度に考えてもらえれば。

ということで締めくくられていました。

 

BlenderFes参加して思いますが、皆さんやりたい表現に如何に手早くアクセスするかを考えられていて

十人十色の中にも共通項があって面白いです

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