【BlenderFes】『初心者のためのBlenderで "描く"油絵』受講記録

2023年9月に行われたCGWORLD企画、Blenderユーザーのための技術交流イベント『Blender Fes』のセッションの一つ『初心者のためのBlenderで "描く"油絵』の受講記録です。学習メモ。

 

登壇者はBlenderで油絵テイストの作品を多く発表されているSimon Lee氏(@Simon Lee)。Blender3.6のプロモーションビデオにも採用されたとのこと。

 

この講座では初心者向けの油絵ワークフローを学びました。

 

 講座を元に個人的に整理、解釈も織り交ぜているので、そのままの受講内容ではありません
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セッションコンセプト

中国出身のデザイナーSimon Lee氏がBlenderを使った油絵のワークフローについて解説。本セッションは日本語字幕がついています。

▶Blender油絵ワークフロー

▶キーポイント1:シームレスなテクスチャの作成

▶キーポイント2:シンプルで便利なジオメトリックノード

▶無料で使えるテクスチャリソース

▶初心者向けチュートリアル

▶無料の油絵プロジェクトファイル


初心者のためのBlenderで \"描く\"油絵@BlenderFes

Simon Lee氏が油絵の中でも印象派を模倣するようになった理由は、他の派に比べて非常にシンプルだから。

リアルなディテールを求められない作風=モデリングの要求が低い。

初心者にはシンプルで簡単、そして達成感のあるスタートが必要。

moco

動機にとても好感がもてますね

参考印象派と写実主義

美術用語についてわかりやすく紹介!『印象派』って?@OBIKAKE

プロの油絵ワークフロー

印象派を模倣するにあたり、有名な3Dアーティストが3Dでどのような油絵を作成しているかをまずはリサーチ。

3D油絵ルックを作る一般的な解決方法は大きく3つ

1.手描き

直接モデルに描く。

高い技術力が必要。絵が描ける人にはおすすめ

参考『Arcane』テクスチャは手描きとのこと(デザイナーへのインタビュー動画より)

参考Omar Faruq Tawsif氏(@FaruqTawsif)


参考GAKU氏(@FaruqTawsif)

関連記事GAKUさんの基礎オンライン講座にはお世話になりました

2.プロシージャルテクスチャ+ジオメトリーノード

プロシージャルテクスチャを使って油絵の質感をシミュレート。

 

ジオメトリーノードと組み合わせて、様々な油絵の効果を作成。

moco

自分では到底理解・作成は出来ないので後悔されている方から直接購入しているそう(わかりみ
またそのことを気に病まないでほしいとのこと

 

ただ、自分の油絵の質感やスタイルを再現したいという思いは秘めておきましょう。

 

参考AlanWyatt3D氏(@Tradigital3D)

参考NENGHUO氏(@NENGHUO_)

3.テクスチャ画像を使用する

油絵タッチのテクスチャ画像を一枚ないし複数使用、モデルに貼り付ける

直接描くスキルも無く、シェーダーで油絵の質感を模倣する方法やジオメトリーノードで絵画タッチの効果を作ることも出来ない初心者にとって最も適している方法。

moco

Simon氏的にこの手法に活路を見出したそう

Simon Lee的ワークフロー

テクスチャ画像を使用して油絵の効果をどのように模倣するか。

ワークフロー1:テクスチャをパーティクルでモデルに分布

  1. 油絵タッチのPNG画像を用意
    Googleで「oil painting brush stroke」等で検索。背景が透明な素材を探す
  2. モデルにテクスチャを貼り付け
  3. パーティクルシステムを使用して分布

  4. エミッターを非表示にし、サイズや回転を調整

水墨テイストも可能

基本は上記と同じ。

  1. モデルに水墨風のマテリアルを適用。
  2. マテリアルの輪郭や内部の水墨効果を調整
  3. 白黒の水墨画タッチのテクスチャを上記の方法で配置

 

ただし、この手法だとCyclesでストローク間のクリッピング(突き抜け)が目立ちやすい

ワークフロー2:シームレステクスチャを使用する

  1. 実際の絵画から高解像度のテクスチャをクリップ
  2. photoshop(又はAI)でシームレステクスチャに修正 
  3. モデルに貼る

 

参考

VanGoghMuseum(NL)ーコレクション

 

AIを使ってシームレステクスチャ化「Make your texture tileable with histogram-preserving blending

別途まとめました

AIで高解像度に変換「Upscayl - AI Image Upscaler」

Upscayl - AI Image Upscaler

デモンストレーション

かなりのボリュームだったため別途まとめました

リソースの共有

このセクションでは主にオープンソースの素材が共有されました。

参考画像DLの便利ツール

Simon Lee氏のシーンデータ

Simon Lee氏のシーンデータはGumroadで公開されております。

作り方が気になる方は是非DLして研究をば。

高解像度のアート作品

オープンソースの3Dスカルプトライブラリ

オープンソースミュージアム

各美術館で公開されているものが多々ある。一部ご紹介

など

参考パブリックドメインでDL出来る美術館をまとめて下さってるサイトがありました

パブリックドメインで無料!世界の名画600万枚をダウンロードできる美術館サイト21個まとめ【2023年版】@PHOTOSHOPVIP

Simon Lee氏おすすめのチュートリアル動画

ジオメトリーノード初心者むけ↓

CrossMind Studio

Dacky 3D

 

一定の基礎があるなら↓

Chong3D

ALL THE WORKS

さらなる難易度へ。中上級者向け↓

Cartesian Carame

Default Cube

非常にワクワクする講座でした

創作のフロー、具体的な作り方、情報を惜しげもなく公開して下さっていて、初心者でもチャレンジしてみたい!やってみたい気持ちが湧いて出てきました。ありがとうございました。

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