忙しい日々の中、いつも子供にガミガミ怒ってばかり、何で子供は言うことを聞かないんだろう、何できょうだいケンカをするのだろう、赤ちゃん返りをする理由は?と子育ての悩みは尽きません。
そんな悩み多き日常に、一つの方向性を見せてくれたのがこのマンガでやさしくわかるアドラー式子育て。
「子育てあるある!」のお悩みを題材にしたマンガと解決策を解説してくれている本をご紹介します。マンガオンリーのコミックではありませんのでご注意。
子供に対する接し方や言葉のかけ方、夫婦のあり方、ひいては自分のあり方まで解説してくれるなんだか自己啓発も含めた子育て本です。
ぜひとも夫婦で読んでほしい一冊です!
コンテンツ
おすすめな人:子育てに悩みを抱えている人
- 子供がいうことを聞かなくて困っている
- 「勉強しなさい!」とガミガミ叱っては自己嫌悪に陥る
- 感情的に子供を怒ってしまう自分を変えたい
- 「自立した子」に育てたいけれど、何をどうしたらいいのかわからない
- 「これでいいのだろうか」と子育てに不安を感じている
一つでも当てはまればこの本を読んでみるのをおすすめします!
アドラー心理学ってなに?
- オーストリアの精神科医、心理学者、社会理論家であるアルフレッド・アドラー氏が提唱し、後継者達が発展させてきた心理学
- 嫌われる勇気という書籍のおかげてブームになった自己啓発
TVアニメ化もされたマンガでわかる心療内科にもアドラー心理学が取り上げられており、非常にわかりやすい話になってます。
平たく言ってしまえば
この心理学を子育てに応用、「子育てあるある!」マンガと解説を交えたのがこの本です。
大きなコンテンツは5つありました。
その中で注目したいところを一部ピックアップ!
PART1:子供の困った行動には「目的がある」
子供の困った行動の目的は、親の注目を得ること
子供の困った行動には4段階あるそうで出来る限り初期の段階で子供との関係修復が望ましいそう。
子供の行動 | 親の気持ち | |
第一段階 | 周囲の「関心」を引くために困った行動を起こす(例:いたずらなど目立つ行動、いいこちゃんアピール) | イライラ |
第二段階 | 「関心」が引けないと親に「挑戦」してくる(例:反抗、口答え) | 怒る |
第三段階 | 「挑戦」に破れると「復讐」してくる(例:親や他人への暴言・暴力、物を壊す、万引きなど) | 傷つく |
第四段階 | 「復讐」に疲れると「無気力」になる(例:不登校、引きこもり) | 諦める |
その困った行動にどう対処していくか
- 子供の当たり前の行動(普段出来てること)に目を向ける
- ダメだしではなく良いだしをする
- 子供を信じて見守る・子ども自身に任せる
- 命令口調ではなくお願い口調で伝える
PART2:親子は「たて」ではなく「よこ」の関係
賞罰で支配することなく対等な関係で子供と接することの大事さ
別にお友達親子になれと言っているわけでありません。
親の一方的な指示・命令・干渉するのではなくお互いの尊敬・信頼・協力しあう関係であれという話。
耳が痛い人はいるのではないでしょか、、、正直私は一番耳が痛かったです。
ついつい命令口調になってしまうんですよね。
「よこ」の関係を築いていくにはどうすればよいのか
- 子供を「甘やかさない」。子供自身で解決できる力があるのに親が解決しない
- 子供を信頼する。自分自身で解決することで生まれる「自信」を引き出す
- しつけもやるべき理由をやさしく説明する(ガミガミ言わない)
- 子供の成長に目をむけて、「ないもの探し」より「あるもの探し」をする
PART3:子供の自立とチャレンジ力を育む
失敗は成功の母
ということわざがあるように、親は手出し、口出しせず、子供の課題は子ども自身に解決させようと言う話。失敗大歓迎!
親の役目は見守り役。ヘルプではなくサポートをすることの大切さが解説されていました。
大切なのは「I」メッセージ
「私はこう思う」「私はこう考えているけどどう思う?」といった、「私」から発するメッセージを伝え、子ども自身に判断を委ねることが大事なんですね。
そして失敗したときにどう声を掛けるか、どういう意識を持っていればよいのかがこのコンテンツでは解説されていました。
PART4:きょうだい関係とそれぞれの性格
きょうだい喧嘩の目的は親の注目を得るため
我が家の息子らのきょうだい喧嘩を見てるとホントか?と思うような内容でしたがとにかく、
- 喧嘩に注目しない
- 仲良しのときにも注目してあげる
この2点+求められたら相談に乗るというのが親のあるべきポジションであるという解説でした。
保育園でもよく言われることですがお友達やきょうだい喧嘩を通して人間関係、力の加減をしる良い機会だそうなので、怪我に発展するようなことがない限りは見守るのが良いのでしょうね。
赤ちゃん返りの理由もここに
これこそ親の注目を得るためと言われて納得する話ですよね。
下の子をいじめれば、親が良かれ悪かれ注目してくれる→ますますやる。
下の子と比較をしてしまえば大きいけれど、まだまだ甘えたいのは幼稚園児でも小学生でも中学生でも一緒。
その気持ちを大切に、日常の何気ない行動に注目してあげましょうという話。
PART5:ほめるより勇気づけをしよう
冒頭からこれまで全編に渡って要所要所で出てくる「勇気づけ」という言葉なんです。
本編では
目的 | 例 | |
褒めること | 子供を評価すること | えらいね、すごいね、お利口さん、すばらしい、立派だね |
勇気づけ | 共感的に関わり、取り組む姿勢や過程に注目すること | 頑張ってるね、丁寧な字で書いているね、感心だわ(Iメッセージ) |
と定義しています。
褒めること=ご褒美=ご褒美が行動の目的になってしまう。
結果ばかりに注目するのではなくその過程(努力したこと、何気なく行動できたこと)に注目しましょうという話です。
私にしてみたら褒める≒勇気づけのようなものだと思ってますけどね
勇気づけの言葉かけポイント
- 貢献や協力に注目
- 過程や姿勢を重視する
- 既に達成できていることに注目する
- 失敗も受け入れる
- 他の子と比べるのではなく、個人の成長を重視する(ex:これまで出来なかったことが出来るようになった)
夫婦にも勇気づけが必要である
相手の話を聞くこと、相手が興味あることに関心を持つのも勇気づけ。
夫婦で話す時間をもちましょうと言う話。
より良い夫婦関係がそこにあれば、子供も安心して過ごし、親の背中を見て学ぶと言うのがここ。
自分にゆとりがなければ配偶者や子供にもやさしく出来ない(勇気づけをおこなう気力がわかない)ですからね。
不完全な自分も受け入れて良い母ではなく、幸せな母になりましょうという話。
要は自分を褒めろということですね(あ、褒めちゃった)
まとめ
最終的には子育て他、夫婦のあり方、自分のあり方まで考えさせられる内容でした。
マンガの内容は、小学生・中学生ぐらいのお子さんをお持ちの方なら「あるある~」と思わず言ってしまいたくなるエピソード(宿題をしない、いっても片付けないetc)が満載でした。
この本を読んで、ガミガミ言うことは減ったかと言われれば微妙なところですが、少なくとも勇気づけの声がけだけは実践しているつもりです。
自分の子育ての方法はこれで良いのだろうか、子供をどうやって叱ればいいのだろう、子供に自信をつけて自立した行動をしてもらうにはどうしたら良いのだろうと気になったことがある人には一読してもらいたい本書。
全てをこのとおり実践することは難しくとも、この本をヒントに実生活に活かせる部分が一つでも見つかれば幸いです