ZBrush-ZSphere(Zスフィア)の使い方とベースメッシュ作成のワークフロー

ZSphereの基本的な操作方法とZSphereでベースメッシュを作成する際のワークフローをご紹介します。

 

  • そもそもどうやって使うんだろう
  • あまり使わないからすぐ操作方法を忘れるなー

なんてこともありますよね

 

この記事では

ZSphereの特徴

ZSphereのベースメッシュとして使用するためのワークフロー

ZSphereの基本的な操作方法

をまとめています。

 

この記事がおすすめな人
  • ZSphereの操作方法を知りたい人
  • ZSphereを使ってベースメッシュを作成したい人

 

 検証バージョンはZBrush4R8です

 

参考

ZSphere | ZBrush Docs - Pixologic

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ZSphereとは

Toolの中にある濃淡のついた赤い珠です。

  • ベースメッシュを作成するための機能
  • リトポロジー(メッシュの張り替え)をするための機能
  • メッシュを変形させるためのZBrush上でのリグ機能

として非常に用途の多い機能です。

 

関連記事ZSphereはカーブを引く際のガイドとしても使用されます

 

DrawモードでZSphereを追加していくことで構成していきます。

  • 親と子の間をつなぐ節はLinkSphere(リンクスフィア)と呼ばれています。
  • 一番最初、基幹となるZSphereはRootSphere(ルートスフィア)と呼ばれることもあります

ZSphereベースメッシュ作成のワークフロー

基本的にベースメッシュとして活用する場合は

  1. RootとなるZSphereを配置
  2. Q(Draw)M(Move)S(Scale)R(Rotate)を切り替えて
    ZSphere追加、移動、回転、スケール調整。
    ※Gizmo3Dは使えません
  3. AdaptiveSkinでプレビュー(A)でメッシュを確認
  4. 再びAを押してZSphereを調整
  5. AdaptiveSkinでメッシュに変換※AdaptiveSkinはZSphereが存在しないと表示されません
  6. スカルプト(Sdivをかけてディテールをつけていく)

という流れになります。

 

 スカルプトはAdaptiveSkinでメッシュに変換してからの作業を!

プレビュー中にもスカルプトできてしまいますが、そうするとスカプルとしたメッシュをポリメッシュ3Dにするか又はスカルプト情報を破棄してZSphereに戻るという選択肢になってしまいます。

ベースメッシュ作成におすすめの設定

Dynamesh Resolutionスライダーを0(OFF)に、Densityでポリゴン数調整。

 

ベースメッシュとしてのAdaptiveSkinは

  1. Preview
  2. Density
  3. Dynamesh Resolution
  4. Make Adaptive Skin

この4つの設定さえ覚えておけば大丈夫です

関連記事AdaptiveSkinの各設定の詳細はこちら

ZSphereの基本操作

ZSphereで可能な操作は以下4つ

  1. DrawモードでZSphereを追加
  2. MoveモードでZSphereを移動
  3. ScaleモードでZSphereをスケール
  4. RotateモードでZSphereを回転

 

 意図しない限りはシンメトリーで作成を!
ZSphereは後からZSphereをシンメトリに配置する方法がありません。そのため極力シンメトリー状態で作成することをお勧めします。

(Root)ZSphereの配置

ZSphereを始めるためにToolパレットからZSphere(2色の赤いボール)を選択し、キャンバスに描き、Tを押してEditモードにします。

ZSphereは2色なのでどちらを向いているかわかります。一般的には↑の画像のようにX軸方向に濃淡の境界が配置されるようにします。

 

RootのZSphere(一番初めに描画したZSphere)は削除できません。

ZSphereの追加

Qキー(Draw)

 

ZSphere上をクリック&ドラッグで新しいZSphereを追加します。望むサイズになるまでドラッグします。

追加中の操作

SHIFTを押す:親と同じサイズのZSphereが追加される
CTRLを押したままドラッグ:追加したZSphereの大きさを維持したまま移動することが出来る

関連記事ストロークを使って描くことも出来ます

ZSphereの削除

ALTを押しながらZSphereクリック

移動

MoveモードにしてZSphereまたはLink-Sphere(灰色のライン)クリック&ドラッグ

  • ZSphere:クリックしたZSphereが移動する
  • Link-Sphere:クリックした箇所より下の子ZSphereが移動する
  • ALT+Link-Sphere:クリックした箇所より下の子ZSphereが形を維持したまま移動する

スケール

ScaleモードにしてZSphereまたはLink-Sphere(灰色のライン)クリック&ドラッグ

  • ZSphere:クリックしたZSphereにスケールがかかる
  • Link-Sphere:クリックした箇所より下の子ZSphere全体にスケールがかかる
  • ALT+ZSphere::クリックした箇所に隣接するLink-Sphere自体の大きさ(太さ)にスケールがかかる

回転

RotateモードにしてZSphereまたはLink-Sphere(灰色のライン)クリック&ドラッグ

  • ZSphere:クリックしたZSphere以下の子ZSphere全体が回転
  • Link-Sphere:クリックしたLink-Sphereの親ZSphereを基点に回転
  • ALT+ZSphere::Link-Sphereに影響を与えずZSphereのみ回転する(ねじれの作成)

ZSphereのよくある疑問と解答

私が初めの頃に躓いた所です。

Q.上手くZSphereがつかめない

ZSphereをつかもうと思ったのにLink-Sphereを選択しているような状態になってしまった。その逆

A.DrawSizeを小さくしましょう

大きいと影響する範囲も広くなってしまいます

Q.メッシュのプレビューをしたい

メッシュ変換後の状態を一時的に確認したい場合

A.Tool>Adaptive Skin>Preview(Aキー)

ZSphereのメッシュがプレビューされます。

Q.メッシュ化したい

実際にスカルプトしたくなった時にメッシュに変換する方法

A.Tool>Adaptive Skin>Make Adaptive Skin

moco
ベースメッシュとして使用する場合、Dynamesh ResolutionやDensityを0にしてます。あとはデフォルトのことが多いです。

Q.ZSphereが半透明のグレーになってしまった

作業中こういう状態になってしまった

A.埋まっているZSphereの位置を調整しましょう

グレーにならないようにZSphereを調整します。グレーの箇所は高い確率で不正なメッシュになってしまうため注意が必要です。こまめにメッシュ化して確認しましょう

まとめ

細かな操作方法はそんなに覚えずとも

ZSphereとLink-Sphereで挙動が異なること

スカルプトはメッシュ化してから

という点だけ覚えておけば作業は出来ます。

ZSphere関連記事

 こちらでは一部ご紹介。タグのZSphereにアクセスすると関連記事が全て表示されます

ZBrush関連アイテム&書籍

日本語の書籍も沢山出ています。バージョンが古いものもありますが、基本的な操作方法に大きな違いはないので大丈夫かと思います。お気に入りの1冊を見つけてください。

 

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関連記事実際にやった感想

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