【ZBrush】Dynamic Subdivision(ダイナミックサブディビジョン)の使い方と各設定

Dynamic Subdivision(ダイナミックサブディビジョン)の使い方と設定について紹介しています。

 

ローポリゴンのメッシュに擬似的にスムーズをかけハイメッシュに表示してくれる機能。

 

Zmodelerには必ずと言っていいほど使われるこの機能、感覚的にはLightWaveのサブパッチ、maxで言うところのターボスムースモディファイヤ、mayaで言うところのテンキー3のオブジェクトの表示切替みたいなものでしょうか。

 

通常のサブディビジョン(CTRL+D)実際にメッシュを分割、こちらのダイナミックサブディビジョンは見かけだけ分割しているように見せているだけという認識を持っていれば使い分けしやすいです。

 

ZBrush2021になり、Cloth機能が追加されため設定項目が増えたため4R8からこちらも更新しました

 

 検証バージョンはZBrush2021.1です

 

参考

Dynamic Subdivision | ZBrush Docs

 

関連記事書籍内にも出てきました

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Dynamic Subdivisionについて

ローポリモデルに一時的にサブディビジョンをかけ、スムージングした結果を表示するのがDynamic Subdivision(ダイナミックサブディビジョン)です。

 

以前のサブディビジョンシステム(Geometry>SmtをONの状態でDivideしたもの)=Classic Subdivisionと呼ばれています。

 

Dynamic Subdivisionは、実際にモデルのジオメトリを変更するClassic Subdivisionとは異なり、リアルタイムで実行されるレンダリングエフェクトです。

 

そのため、Dynamic Subdivisionはファイルサイズに影響を与えません。

ZBrushはポリゴンではなくいくつかの設定を保存するだけです。

Dynamic Subdivisionのワークフローとホットキー

Tool >Geometry>Dynamic Subdiv >Dynamic 

Dynamic SubdivisionはQGrid (QuickGrid), Flat Subdivision 、Smooth Subdivisionの3つの設定があり、その設定次第で結果が変わります。

Dynamic SubdivisionのON/OFFのホットキー

DShift+D

 クラシックサブディビジョンとダイナミックサブディビジョンが併用されている場合は、このホットキーはクラシックサブディビジョンレベルの上げ下げに使用されます。

Subdivisionの優先順位

適用されるサブディビジョンには優先順位があり、QGrid の設定が一番最初次にFlat Subdivision 、最後にSmooth Subdivisionが適用されます。

  1. QGrid (QuickGrid)
  2. Flat Subdivision
  3. Smooth Subdivision

Dynamic Subdivisionの設定

Tool >Geometry>Dynamic Subdiv

からアクセスします。

Dynamic

選択しているSubToolにDynamic Subdivisionを適用します。

Hotkey: Dまたは Shift+Dで切り替え

Apply

Dynamic SubdivisionをClassic Subdivisionに変換します。

 

QGrid (Quick Grid)はベースメッシュのジオメトリに変換。FlatまたはSmoothSubdivisionはSubdivisionレベルに変換。

これらのモードは一緒に動作します。最初にQGridが適用され、次に他の2つが適用されます。

 

 

例えば
モデルに1 QGrid、1 Flat Subdivision、3 Smooth Subdivisionの設定がある場合でApply機能を使用→Subdivision5を持つToolに変換されます。

内訳は
Subdivision Level1:QGrid
Subdivision Level2: Flat Subdivision
Subdivision Level3~5:Smooth Subdivision
 Applyをしても変更した後はDynamics Subdivの各スライダーは元の値には戻らないので注意

QGrid (Quick Grid)スライダー

モデルに適用されるグリッドスタイルのsubdivision数を定義します。

 

デフォルトでは、モデル全体にわたって均一なグリッドが適用されます。 スライダの値の各増分は、表示されるポリゴンの数を4倍にします。

QGridは、Coverage、Constant、Bevel、およびChamferオプションと連携して機能します。

 

Transform > PolyFrameが有効になっていると、QGridトポロジは表示されますが、ベースメッシュトポロジよりも強度が低くなります。


※デモToolであれば確認できるのですが自分で作成したQCubeではそれらしきラインが確認できず。。なぜか不明
※SmoothSubdivisionの数値を0にすることで解決できました

 

 

Flat SubdivisionとQGrid Subdivisionは、QGridがいくつかのオプションを使用できる点を除き、同じアルゴリズムに基づいています。

 

QGrid Coverage

グリッドパターンのSubdivisionがサーフェス全体にどのように分布されるかを定義します。

 

値が1の場合、分布はサーフェス全体で均一です。

値を小さくすると、メッシュの端(エッジの方)に向かって分割の分布がスライドします。

 

QGridがアクティブな間、Coverageスライダの効果をリアルタイムで確認できます。

QGrid Constant

Constantを有効にすると、QGrid Subdivisionはエッジから一定の距離に保たれ、これらのエッジに沿って均一なトポロジが得られます。

 

この設定は、QGrid Bevelおよび/またはChamfer モードがアクティブなときにエッジに沿って均一な距離を維持することが重要であるため、デフォルトで有効になっています。

QGrid Bevel

面取り。CoverageスライダとQGridスライダの値は、このBevelのサイズと精度に影響します。

QGrid Chamfer

面取り。Bevelと似ていますがこちらは面取りしたエッジを丸めます。ChamferスライダとQGridスライダの値は、このBevelのサイズと精度に影響します。

Flat Subdivision

モデルのサーフェス全体に均一なsubdivisionをかけます。(Classic SubdivisionでSmtをOFFにしてDivideするのと同じ効果)

 

Flat subdivisionはサーフェスを滑らかにしないので、上で説明したQGridオプションを使用しません。

Smooth Subdivision

モデルのサーフェス全体に滑らかなsubdivisionをかけます。(Classic SubdivisionでSmtをONにしてDivideするのと同じ効果)

Thicknessスライダー

厚みを自動生成します。

 

0に設定すると厚みが無くなるので、メッシュは片面になります。

Segments

Thicknessの厚みに自動的に追加されるポリループの数を制御します。

Post SubDiv

厚みの適用される順番を定義します。

 

  • 有効にすると、メッシュがSmoothSubdivまたはFlatSubdivの値に従って内部的に分割された後に厚みが適用されます。これにより、厚さに沿ってエッジが鮮明になります。
  • 無効にすると、最初に厚みが適用され、その後、ZBrushがSmoothSubdivスライダまたはFlatSubdivの値に従ってメッシュを分割します。

Offset

元のサーフェスに対する厚みのボリュームの生成方向を制御します。

 

  • 正の値を設定すると外側にボリュームが作成されます
  • 負の値を設定すると内側にボリュームが作成されます。
  • デフォルト値の0は、厚みの50%がサーフェスの上に生成され、厚さの50%がサーフェスの下に生成されます

Smoothness

厚みのエッジのスムージングを制御します。

Thicknessで厚みを適用時にトポロジーがわずかに重なっているメッシュの結果を改善する可能性があります

Micropoly

こちらは独特なので別途まとめています

利用頻度が上がるDynamic Subdiv

ローポリオブジェクトに適用するものという原則は変わりないですが、ZBrush2021になって追加された機能によりZmodeler、LiveBooleanの他Clothと利用頻度はますます上がってきますね.

 

LightBox>Project>Demo Projectsの中にRifleModel.ZPRというサンプルプロジェクトがあるのでそれを見ると上記設定を駆使しているのがよくわかるかと思います。

いやー。皆さんよく使いこなしてますね。

 

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