【AnimationAid】単発講座:クリーチャー・アニメ―ション『陸』受講記録③

2023年8月に行われたアニメーションエイド単発の講座、クリーチャー・アニメ―ション『陸』の受講記録です。

濃い内容のため3回に記事を分ける予定です。今回はラストその③。応用:スピードチェンジ、ジャンプ、方向転換+αQ&A

 

この記事では

クリーチャー・アニメ―ション『陸』での学び

をまとめています。

 

画面キャプチャ等を行わない限り、受講内容をのアウトプットOKを公言(推奨)とするのはアニメーションエイドならでは。しっかり学ばせて頂きます!

 

 講座を元に個人的に整理、解釈も織り交ぜているので、そのままの受講内容ではありません

関連記事受講メモ①②

コンテンツ

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応用 スピードチェンジ、ジャンプ、方向転換

基礎で歩きと走りを把握したということで

  • スピードチェンジ
  • ジャンプ
  • 方向転換

等色々な動作をマスターしていきます。

moco

ぶっちゃけ濃すぎて把握しきれておりませんが、学んだことは事実

スピードチェンジ

先にサイクルを用意し、逆算して止まる動きを作成する

 

Stop→Walk、Walk→Stop、Walk→Run等様々なパターンがある。

ウォークサイクル、ランサイクルの延長上にある動き。

Stop→Run作成のフロー

止まっている状態から走りだす際の動きの解説。

前提としてウォーク/ラン)サイクルが必要になる。

 

  1. リファレンスを用意
  2. Mayaのシーンにランサイクルを読み込む
  3. リファレンスのランサイクルの開始点までキーをオフセットする
  4. Stop時のポーズ(仮)を作成。
  5. Run前の沈みこみを作成
    ※胸と前足の関係性もリファレンスをよく見て作成
    ※ウォークサイクル時に学んだ、中足骨の動きや腰の動きも忘れない

    ※ランサイクルの後ろ足で思い切り蹴り出す動きも忘れない
  6. ひたすらリファレンスを見ながらモーションを調整していく

moco

ムービング・ホールドという言葉もあるようにStopしていても、動いているのを見逃さないように。

この作成方法は、Stop→Walk、Walk→Stopにも応用できます。

ジャンプ

シンプルに手づけ。

先ずはジャンプの動きの解説から

上方向

上方向にジャンプする猫を例にとっての解説。

  • 常に重力がかかっている動き。
  • 動きの形はランサイクルに似ている
  • 後足の使い方は走りの時の延長(後足がエンジンという考えは一緒)
  • ジャンプの直前は重心の真下に後足
  • ジャンプの直前には中足骨が地面に着くぐらい沈み込む
  • 走る時と同様にジャンプ時には足が伸び切る

前方向

上方向にジャンプするライオンを例にとっての解説。
似た動画が見つからなかったので虎で代用。

  • 上方向と同じように、ジャンプの直前は重心の真下に後足
  • ウォークサイクル同様に、着地時は肩甲骨を動かすことでクッションにしている

ジャンプの大事なポイント

  • ジャンプの為に後足が重心の真下に来る
  • ジャンプの直前では平行を保っていた大腿骨と中足骨との関係性を大きく破綻させる
    クッションになる中足骨が地面に着く
  • 蹴り足は思い切り伸ばす
  • 着地時に肩甲骨を使って体重を支える
    そのおかげで頭の動きもスムーズに
  • 腰と胸の関係性
    地面を蹴る時、どれぐらい腰が下がるか
    胸は飛び出す前に縮こまってから伸びる

ジャンプ作成のフロー

今回は岩をジャンプで渡る動きの作成を元に解説

  1. リファレンスを用意
    カメラが動いたリファレンスの場合、リファレンス自体にアニメーションをさせて、
    なるべくキャラクターの動き(飛距離)がわかるようにする
  2. ポーズを4F、5F間隔で拾っていく
  3. 動きをプッシュ(強調)する
    上下動にメリハリをつける
    何のためにこの動きをするのかを理解していることが大事。

方向転換

歩きと走りで作成方法が異なります。

走りの方向転換

左右前足どちらが先?

ターンする方向によって決まっている

ex:左方向にターンする際には、右前足を先に着いて内側に蹴る。


ターンの注意点

どんなに体が倒れていても頭は平行を保つ

走りの方向転換作成のフロー

前提としてランサイクルモーションパス用のパスが必要。

 

  1. ランサイクルのRootとパスを選択し、Animationタブ>Constrain>Motion Paths>Attach to Motion Path
  2. 設定。Front axisをZにしてAttach
  3. U Value でスピード調整。
    カーブで若干、減速させる。
  4. カーブでのバンク作成
    ・モーションパスのアトリビュートを使わずに、コンストレイントしているRootの下の全体コントローラーで回転させる。■ランサイクル作っていないのでデフォルトのポーズではありますが、こういう意味。

    ・カーブが終わったらバンクを元に戻す
  5. 頭の平行調整をアニメーションレイヤーで行う
    ・カーブを曲がり始める少しまえから、曲がる方向を見ている
    ・カーブが終わったら元に戻す
  6. 足の位置調整をアニメーションレイヤーで行う
    ・バンクしたことで埋まったり浮いたりした足を調整する
    ・方向転換の蹴り足は外側に着く、地面を蹴った後は元に戻す
  7. ターン時の足の調整を行う
    ・「ターンする方向によって着く足が決まっている」
    という前提のもと、左右のターン時には足の調整が必要になる

ターン時の足の調整方法

モーションのオフセット

例えば、左足が先に着くランサイクルのデータ左カーブ(右足が先につかなければならない)場合の対応方法。
サイクル時に左前足が1fで、右前足が3fで着地するサイクルだとして

  • 左前足のコントローラーを掴んで(その際に指や肩甲骨も)2f後方にずらして3fで着地するようにする。
  • 同様に右前足のコントローラーを掴んで、こちらは逆に2f前にずらし1fで着地するようにする。

歩きの方向転換作成のフロー

全部手づけ

  • 走りの時のようにパスに乗った動きではない
  • 足を組みかえるごとに体重移動が起こってる(体の起点がコンスタントに変化していく)
  • 先ずは胸、あとから遅れて足が動く(胸が左右の足の動きに合わせて体重移動していても、進行方向に動き続けている等)
    胸と腰はバラバラに作成する必要がある!

木登り

基本はジャンプと同様。全部の動物が出来る動きではないことに注意。

 

例えば犬の場合、登っているというより、走りの延長で駆け上がっている。
手足が滑っているのを見るとよくわかる。

ネコ科の動物の場合、木をしっかりつかんで登っている

原因は骨格の違い

犬は手首が硬く、ネコ科のように物を掴むという動きが出来ないため。

木登り作成のフロー

  1. 始めはジャンプ
    ・ジャンプの直前は重心の真下に後足
    ・ジャンプの直前には中足骨が地面に着くぐらい沈み込む
    ・思い切り蹴る
  2. 最初に両手で木を掴む
  3. その後、足で木を掴んで、そして手が掴んで登っていく

『陸』まとめ

まずは実際の動物の動き、骨格を理解する

そして、歩きと走りを知り

そこから、スピードチェンジ、方向転換、ジャンプ、クライミングにつなげていく。

 

CGで作成されたクリーチャーを『実在しているかのように信じさせる』には

  • 正確な動きとその構造
  • 彼らがどのように動く(歩き、走り、飛ぶ)のか

を考えながら作成することでクオリティがだせる

Q&A

チャットで展開されたQ&Aは後日確認次第追記します

Q.【アニメーションエイド】クラス3やクリーチャーアニメーションクラスを受講するにあたってのレベルは?

A.二足歩行(人間)の動きが出来てからじゃないと難しいが、どうしても受講したい!強い意志があれば汲みたいと思ってるので、ぜひ!パッションは大事。※クリーチャークラス

Q.【アニメーションエイド】カメラは常時ONか?

A.ONだと嬉しい。
受講者の方の大半はONにしてくれている。
反応を見ながら解説もしていく。顔を見ながらやり取りする方が、お互いの理解度も高まるんじゃないかと思っている。
実際の現場でも、SVとのやり取りがあるので、それと同じような感覚をエイドでもやっていきたい。

OFFが良い人はOFFでも良い。そこは受講者の意思を尊重する。

Q.クリーチャー 基本的に胴体はIKか?

A.IK。

Q.人の胸はIKかFKか

A.IK。
ショットによってIK、FK使い分けることもあるが基本IK。

骨格は回転、シルエット調整で多少移動値を入れることもある

Q.デモリールに入れるとしたらどんな動きが良い?

A.難しい、派手なことをせずに、ウォークサイクル。

ウォークサイクルの出来でどういうことが出来るのかがわかるので、ウォークサイクルをキチンと作れることが大事。

Q.最小限のキーでアニメーションをつけていくのが理想と言うことか?

A.そうです。

Q.上手い人ほどキーは少ないか

A.そういうわけではない。
ポリッシュ等していく中でキーは自然に増えていくもの、ただしベースはシンプルに作ることが大事。

まずは、胸、腰、肩甲骨がしっかり作成出来ていること、しっぽや指、指先などは気にしなくていい。

人によってアニメーションのつけ方は違う
島田氏はHeelロールは最後の味付け程度に使うとの話でしたが、藤原氏は足が離れるまではHeelロールを使って、離れた瞬間にHeelロールを0にしてるとのこと。どちらにしても結果は同じ

moco

一辺倒に考えず自分が作りやすい方法を見つけていくことが大事ですね。

Q.リファレンス探しでよく見るYoutubeチャンネル等あるか?

A.特に無し。キーワード(単語)で探してる

Q.足の滑り対策

A.力業

Miyukiさんの動画

A.Animbot

Q.胸と腰を別制御、ボリュームを維持する時に工夫していることは?

A.移動値は同じにしている。あとはシルエットを目合わせ。
リグによっては伸び切ると色が変わるものがある

Q.iAnimateはいつ受けた?

A.スパイダーバースの後。
ショットが多く削除されてしまったのが悔しかったから。クリーチャーのめざめもiAnimateから。
それまではずっと感覚でやっていたが理論を学ぶようになって、ロジックでアニメーションが作成できるようになった。アニメーションがより楽しくなった。

moco

日本でアニメーションが学べるアニメーションエイドはホント貴重な存在ですよね。

Q.ライオン同士の取っ組み合い コンストレイントは使っている?

iAnimate Creature Workshop 1 from Tatsuyuki(Tatsu) Shimada on Vimeo.

A.使ってない。

こういうのは力業が多い。コンストレイントを使うと逆に違和感が出る

Q.海外現場の英語は難しい?

A.仕事で使う英語は普段使っているものとそう変わらない。

A.チャットやノートでのFBもある

Q.大型犬・小型犬の違いは重さの違いか?

A.そうです。

  • 体の動かし方は基本同じ。移動スピードもそうかわらない。
  • 動き出しと動き止まりのスピードの違い
  • 小型犬はもう少しサイクルが短い。リファレンスをよく見て

Q.デモリールの背景に使ってる素材は?

A.フリーのものが多い

  • 背景に目がいっても困るのでシンプルに。
  • メインのアニメーションに力を注ぐ

Q.海洋生物はまた違う理論?

A.まだ確立するまでには至ってないが、空の講義と近しいのではないかと思ってる

重力感がない、水の抵抗力がある

『陸』感想

とにかく濃い4時間を過ごすことが出来ました。

  • 骨格や動きのポイントを知ることで、リファレンスを見る時、探す際のポイントが絞れたこと。
  • 基本的な制作のフロー

普段あまりクリーチャーも動物もやる機会が無かったのでとても学びが多かったです。頭がパンク。

良き時間をありがとうございました!

クリーチャーを作りたくなったらエイドを受講しよう

座学で学ぶだけよりも+手を動かしてFBをもらうことの方がはるかに身に刷り込まれるかと思います。
興味ある方は是非!


AnimationAid受講講座まとめ

アニメーションエイド受講をきっかけに、CGWORLD(2022年 5月号 vol.285)にチョコッと「らくがきクリエイトmononoco」の名が載りました!CGアニメーター必読の一冊です!是非お手元にどうぞ

アニメーション1 若杉クラス

アニメーション2 若杉クラス

アニメーション3 藤原クラス

クリーチャーアニメーション

こちらは単発の講座受講。

 

受講時におすすめ

レクチャー動画を見るにおすすめの拡張機能。

サイクルモーションをデモリールに入れたくなった時に

 

 

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